さて、今回まず注目するのはサブタイトルの「ア」です。定冠詞の「ザ」ではなく不定冠詞の「ア」。つまりクロウは誰でも良くて、重要なのは「白鳥≒鳥の女王≒アーチニンジャ≒ヤモト」です。よって、サブタイは
シルバーカラスが歌う白鳥の歌
ではなく、
『有象無象の衰えたカラスのなかの一羽が歌う白鳥の歌』
という意味になります。
また、1〜3話レビューで書いたように、ハイライト(ヤモトならピンク色の部分)は、ニンジャソウルの邪悪な心に宿主の心が侵食されている演出です。
そして、ヤモトは作中で唯一ハイライトを自分の意思で押さえ込める特別な存在・・・・でしたw 今回シルバーカラスもハイライトを押さえ込むので唯一ではなくなりましたが、それでもヤモトが特別な存在だということには変わりありません。
だから「心に汚れのない女王≒白鳥≒ヤモト」で、その他の「心が侵食されている薄汚れたニンジャ達≒クロウ」なのです。
よって、シルーバーカラスは汚れたカラスのなかの一人で、たまたまヤモトに出会った脇役です。
勿論、今回のエピソードに限れば、シルバーカラスはかなり格好良い描かれ方をしてます。でも、作品全体を俯瞰するような大きな視点で見ると、やっぱりヤモトは別格なのかなって思ってみたり。
なので、4話レビューでも書きましたが、そんなヤモト=サンが女王カワイイーヤッター!w
●ヤモト=サンとナンシー=サン
また、3〜4話のサブタイ「ラスト・ガール・スタンディング」や今回のサブタイは、上に書いたように単独でちゃんとした意味を持っています。
一方、ナンシー=サン回のサブタイは、「ベイン・オブ・サーペント=(あからさまにザコだった)コッカトリスの猛毒」、「デイ・オブ・ロブスター=(あからさまにザコだった)ロブスターの日」など、単独では意味不明です。
なので7話レビューなどで書いたように、ナンシー=サン回のサブタイには裏の意味が隠されていました。
でも、今回と3〜4話のサブタイを見る限り、ヤモト=サン回のサブタイは素直に考えれば良いみたいですw
●タバコが暗示するもの
あと、以降は、ノナコよりヤモトを選んだけど、カギが
まず注目するのは、今回様々な形で何度も描かれるタバコです。
タバコはストレス解消の嗜好品で、そんな大人の遊び(意味深)めいたカギ・タナカ(シルバーカラス)とノナコの関係の暗示です。
まあ、遊びから始まった関係でも、(タバコが止められなくなるくらい)互いを必要に感じ始めているという、もう少しポジティブな意味を持っているとは思いますが・・・・w
なので、最初のカギとノナコのベッドシーンでは、カギがタバコの空箱を手にしています。
ノナコとの関係がまんざらでもなくて、カギがちょっと真剣に考えてみようかな〜なんて思い始めていた暗示です。でも、その矢先にカギは余命宣告されてしまい、そんな望みが絶たれてしまいます。タバコを吸い尽くした空箱はカギのそんな状況を暗示していました。
「あ、タバコあるか? ないよな」
だから、今回の最後の方でカギが言うこの台詞にも、カギのそんな思いが暗示されています。
よって、このタバコの暗示がカギがロリコンではないと言える一つ目の理由です。
●カギの心境
また、カギはヤモトと別れたコインランドリーの外で、全部が売り切れになっているタバコの自販機の前に立ち尽くします。
ノナコへの未練や、未来を失ってどうすれば良いかわからなくなっているカギの心の演出です。
でも、ヤモトとの会話が心の洗濯になったことも手伝って、カギは残された時間でヤモトを助けようと、ナッツクラッカーをアンブッシュで倒すのでした。
しかも、この時、カギがナッツクラッカーを殺すところがフラッシュ演出ではなく普通の絵で描かれます。1〜3話レビューで書いたように、フラッシュ演出は「(ニンジャソウルの邪悪な心に侵食されたり、フジキドのように心に迷いを抱えたりで)精神的に未熟な戦いをしている演出」です。
だから、自分の死を悟り、ヤモトを助ける決意を固めたカギが、ニンジャソウルに流されるのではなく、自分の意思でちゃんと戦っていたことが演出されていました。
「(助けようと決意したものの、ヤモトは)ソウカイヤ関係のニンジャか。面倒は嫌なんだよ」
因みに、カギがナッツクラッカーを殺す時に言ったこの台詞には()のような意味が込められていて、ナッツクラッカーではなくヤモトのことを指しているのだと思います。
また、そんなカギとの出会いがヤモトの心の洗濯にもなる訳で、二人のそんな状況をコインランドリー(=(心を)洗濯する場所)が暗示していました。
●ノナコの本心・・・・
「私、お仕事辞めようと思って・・・・お金もあるし、温かいところに引っ越したいの」
(中略)
「でも変なの。女の子を囲っちゃうなんて。貴方が保護者? 最近ちょっと変だよね」
そして二回目のカギとノナコのベッドシーンで、ノナコはこんなことを言いますが、この時ノナコの「顔=表情≒心」が映されず、本心を言ってないことが演出されています。
ノナコの胸やお尻に目が行きがちですがw、ここはノナコの顔を隠すことで、
『本当は二人で引っ越そうと言って欲しいノナコの本心を匂わせる演出』
です。
でも、カギはそう言ってくれないどころか、
「まあ、また会えたら会おうぜ」
「会えるでしょ」
「ああ、死ななきゃな」
こんな不吉なことを口走ります。でも、ここではノナコの顔が映されて、カギが死ぬなんて話を信じたくないまた会いたいと本心から思っているノナコの心が演出されていました。
だから、この後、ノナコは長い煙をなびかせながら、ずっとタバコを吸い続けます。タバコはカギと一緒になりたいという思いの暗示で、そこから伸びる煙はそんなカギとの未来に惹かれる未練の演出です。
そんな訳で、7話レビューで書いたニンジャスレイヤーのマフラーや10話レビューで書いたナンシーのLANケーブルと同じく、長くなびくものにはそういった意味が込められているのだと思います。
なので、無言で煙をなびかせるノナコがかなり切ないです・・・・。
●カラテの手解き
その後、カギは道場でヤモトにカラテの手解きをします。
そしてこの時、カギからハイライト(ピンク色の部分)が消え去っています。自分の死を目の前にして、(一時的にでも)ニンジャソウルを押さえ込み、ヤモトの力になろうと純粋な気持ちで教えていることが演出されていました。
よって、ニンジャソウルを押さえ込むほど純粋な気持ちが演出されているこのシーンが、カギがロリコンではないと言える二つ目の理由です。
なのに、そんなシーンだと言うのに、オーマイブッダ!
「上から、下・・・・上から、下・・・・」
ヤモト達のこの台詞に(意味深)を付けてしまった汚れた心をお許し下さいw
と潔く懺悔したところで、14話レビューに続きますw
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