さて、今回考えるのは西森美砂に発火能力が宿った理由ですが、それは
『ショウが美砂のことを引きずり続けていてこのままではダメになってしまう。だから、ショウには美砂のことを忘れて(≒ショウから美砂の記憶を焼き払って)新しい一歩を踏み出して欲しいと願ったから』です。
どうしてそう言えるかというと・・・・
●能力の完全性と不完全性
まず、2話レビューで書いたように、能力は何かを失って(失いそうになって)宿るものだと思われます。
そして、何かを完全に失った者(母を失った有宇、兄を失った奈緒、姉を失った柚咲、など)は、何かが欠けてしまった不完全な世界を象徴するように『不完全』な能力しか宿りません。
逆に2話の弓道部部長の(病気の)親のようにまだ完全に失ってない場合は、より完全に近い能力が宿ります。
すると美砂の発火能力は(視界内の?)任意の対象を燃やせる上に、自分の意思で消すことまで出来、ほぼ完全な能力だと言えます。
だから、美砂は何かを失いかけているだけでそれを完全には失っていません。よって、美砂が能力に目覚めた原因は自分の死(=自分の命を失ったこと)ではありません。
●宿る能力の内容
更に、科学者達の監視の目から逃れたくて透明になる能力を得た奈緒や、姉・美砂を失ってその霊を口寄せする能力を得た柚咲の例より、宿る能力は失ったものに関するものが発現すると考えられます。
だから、美砂の発火能力も美砂が失いそうになっているものに関する能力のはずです。
そこで美砂が発火能力でしたことから、美砂が失ったものはなんなのかを考えていくと・・・・、
『美砂はライブハウス"Stars"の壁一面に貼ってあった写真の多くを発火能力で燃やしました=美砂とショウ(達)の記録(≒記憶)を焼き払いました。それこそが美砂の本当の願い、ショウには美砂のことを忘れて新しい一歩を踏み出して欲しいという、能力が宿るほど強く思っていた心からの願いの表れ』なのです。
「ショウ、私のことは忘れて明日からはお前の人生を歩め。いつまでも死人のことを引っ張るな。でないと、お前の人生狂っちまって、この先幸せになれないぜ」
だから、最後に美砂がショウに伝えたこの言葉こそが、美砂とショウの記憶を焼き尽くそうとする燃え盛る炎そのもので、それがサブタイトル「恋と炎」の本当の意味なのです。美砂(の中の人)の演技も今初めてショウの思いに気付いたのではなく、ずっと伝えたかったことを精一杯伝えているような感じですし。
・・・・なので、美砂の方もショウに恋心を抱いてたのかな〜?って気がしなくもなかったり・・・・。
●時系列
よって、時系列をまとめてみると、
・一年前、美砂とショウが事故り美砂だけ死亡
・柚咲が口寄せの能力を発現
・美砂が現世に戻るとショウがダメになりかけていた
・美砂に発火能力発現
の順番で能力が発現していったのだと思います。
●ED歌詞
よって、それを踏まえた上で、EDの歌詞を見てみると・・・・
EDテーマ「楽園まで」
「まだまだこの旅はきついものになるなんて
君に言うと あとでまた叱られるんだ
そもそも生きることそれ自体が残酷で
そんなこと 誰だって嫌ほど知ってると
君にはいつか見せた良いものがある
それだけはずっとこの胸に
もう二度とは溢れることない何かを失いながら
遠く雲の向こうをただ君は見詰めているだけ
きっと辿り着ける楽園を今を信じている
きっと今まで笑った数も奥の私のため」
EDの歌詞はこんな感じだと思います(聞き間違えてたら済みません・・・・)。
●ED考察
「まだまだこの旅はきついものになるなんて
君に言うと あとでまた叱られるんだ
そもそも生きることそれ自体が残酷で
そんなこと 誰だって嫌ほど知ってると
まず、この部分は現世に戻った美砂がショウに"人生はまだまだこれからで(美砂の死なんかより)苦しいことだって沢山あるんだから頑張らないと"と励まそうとして、ショウが"美砂が死んでしまうくらい人生は残酷だって知っている"と逆ギレしているようなシーンを表しているのだと思います。
「君(=ショウ)にはいつか(私に)見せた良いものがある
それだけはずっとこの胸に」
ここは言葉のままです。上で美砂もショウに恋心を抱いていたのかも?と書いたのはこの歌詞があったからでもあります。
「もう二度とは溢れることない何かを失いながら
遠く雲の向こうをただ君は見詰めているだけ」
美砂が、美砂のことを引きずっているショウを心配しながら見ている感じだと思います。
「きっと辿り着ける楽園を今を信じている」
でも、ショウならそんな思いを振り払って、楽園に辿り着けると、『今』を生きることができると信じている、信じたい・・・・そんな美砂の思いです。
「きっと今まで笑った数も奥の私のため」
でも、ショウの笑顔はずっと柚咲の奥の美砂に向けられていて、早くそれをなんとかしたい・・・・なんて意味なのかなと思ってみたりw
あとは細かいことをいくつか・・・・。
●記録・・・・と、記憶
熊耳の情報を元に裏路地で能力者を探す奈緒達ですが、そこで不審な男(EDテロップより)に出くわします。奈緒達は男を捕まえようとしますが、逆に奈緒が男のバックナックルで吹っ飛ばされてしまいます。
この男は情状酌量の余地なく即実刑は確実なのですが・・・・奈緒は自分の顔よりビデオカメラの方を心配します。1話レビューでも書きましたが、奈緒にとってビデオカメラが重要な意味を持っていることが強調されています。
でも、じゃあ、なんでそこまで重要なのかと考えると・・・・「記録が必要=記憶を保てない」、と定期的に記憶を失ってしまうとかそれくらいしか思い付きません。
そして、そう考えると2話の病院の受付での奈緒と看護婦の会話、
「(兄を)外に連れ出して構いませんか?」
「敷地内であれば問題ありませんよ」
がなんだか凄く伏線っぽく見えてくるんですよねw 何回も見舞いに来ているなら、こんな確認する必要がないですし、看護婦(の中の人)の演技も「やれやれまたか」感を出しすぎてる気がしてきます・・・・この演技がずっと微妙に気になってはいたのですが・・・・。
●脅すのは得意?
また、ライブハウスで共闘を申し出る奈緒に美砂が「勝算は?」と尋ねると、
「私は脅す作戦を立てるのが大の得意です」
奈緒は目を逸らしながら微妙なギャグ顔でこう言います。なので1話レビューで書いたように、やっぱり奈緒は『脅す』作戦についてネガティブな感情を抱いています。ただ、その理由がイマイチぼかされていて・・・・。
●星・・・・
あと、ED前の有宇と歩未のギャグパートなのですが、柚咲が転校してくると聞いて喜ぶ歩未の周囲に星(能力者の暗示)のエフェクトが舞っていました。
これまでのレビューでも書いてきたように、多分この作品の星はバッドフラグな気がするので、歩未の今後が心配です・・・・。
といったところで、
Charlotte 第04話「刹那の本気」
に続きますw
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突然ですが素晴らしい考察だと思ったのでコメントを。
2話の病院の受付での会話についてです。
私は全く気づきませんでしたが、言われてみると不自然すぎますね。
友利の持ってるビデオカメラが「能力使用の証拠を残すため」だけだとしたら物足りないなとは思っていたので、記録と記憶、おもしろいです。
Charlotteは私も今までにないくらい期待して見ています。
今後もレビューや考察を読ませていただきたいと思います。
では、失礼しました。
シャーロットは、歩未が1話でだけ「ござる」と言ってたり、伏線になってそうなシーンが多く、どう展開していくのか楽しみですねw
(1話で歩未が言った「もう一人の家族」の話を境に世界が変わってしまった? とか妄想は膨らみますが、伏線同士がなかなか繋がらないので先が読めないです・・・・w)
こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。