【物語シリーズ 終物語4話】忍野扇はかつての羽川翼?翼が扇を警戒する理由【感想・考察】


終物語 第4話「そだちロスト 其ノ壹」

さて、今回の話で羽川翼の解釈が、限りなく『本物』に近いスーパーキャラか、(表面的には)阿良々木暦を鬼に堕とした張本人かの二択にまで進みました・・・・まあ、物語シリーズなのでどうせ後者なんだろうとは思いますけど・・・・w

どうしてそんな話になるのかというと、今回、忍野扇が

「おじさんも『怖がった』という貴方の天才性。

ええ、だけれど、そういう視点から見れば、聞いていたほどでもありませんねぇ。私が聞いていた羽川翼ならば、(暦を更なる鬼の深みにハメる絶好の機会である)阿良々木先輩の危機に際してそこにいないなんてことはなかったでしょうから。

もっと上手くやったというのは、全盛期ならば、という意味ではないんですかねぇ」

こんなことを言うからです。

まず、忍野メメでさえ『怖がった』と、翼をヤバい『怪異』のように扱っています。

更に、翼が(傷物語の時も、猫物語(黒)の時も、化物語(つばさキャット)の時も)暦の危機に際して『上手くやった』ことを仄めかしていました。

つばさキャットが最もわかり易いですが、あの時、翼(猫)がわざわざ暦を街灯の下に誘導し、暦の影を作り、忍野忍が出て来られるお膳立てをした上で、暦を殺そうとしなければ、暦と忍の心の溝は深まるばかりで、いずれ世界は傾物語のように滅亡していたはずです。

それは猫物語(黒)の時も同様で、あれらの翼の行動は、暦と忍の仲を深めるための『泣いた赤鬼の青鬼作戦』でした。

●流石に・・・・

でも、翼が『本物』でこれまでずっと暦を助けようとしていたと解釈すると、例えば猫物語(黒)の

「(前略)万が一将来幸せになっても無駄だぞ。どれほどハッピーになろうが、昔がダメだった事実は消えちゃくれないんだ。忘れた頃に思い出す。一生夢に見る。僕達は一生悪夢を見続けるんだ! 現実は何も変わらねぇよ」

「いいよな・・・・。いいよな、羽川。僕達、みんなろくでもないけど、すっげぇ不幸で、滅茶苦茶報われなくて、取り返しなんて全然つかないけど、一生このままなんだけど、それでいいよな」

これら暦の台詞が痛すぎてとても聞くに堪えません。アレな暦が世界を滅ぼしかねないから、翼はわざと障り猫になってまで暦を助けようとしていたのに、暦はこんな反吐の出る独りよがりを吐いていた・・・・いくらアレな阿良々木君でも、仮にも主人公なんだから、流石にそれはないだろうというバランス感覚が働かないでしょうか?w

だから、猫物語(黒)の副題「つばさファミリー」にあるように、翼は暦のためではなく自分のために、暦を『怪異』に堕とし家族になろうとしていました。

すると暦の

「(前略)万が一将来幸せになっても無駄だぞ。どれほどハッピーになろうが、昔がダメだった事実は消えちゃくれないんだ。忘れた頃に思い出す。一生夢に見る。僕達は一生悪夢を見続けるんだ! 現実は何も変わらねぇよ」

この台詞は、そんな幸せはありはしないと(アレな暦にしては本当に珍しく)翼を突き放し、その甘い現実逃避を厳しく諌めていたことになります。

「いいよな・・・・。いいよな、羽川。僕達、みんなろくでもないけど、すっげぇ不幸で、滅茶苦茶報われなくて、取り返しなんて全然つかないけど、一生このままなんだけど、それでいいよな」

更に翼を猫から戻したあと、暦はこう言って、翼のせいで吸血鬼になったけど、それでいいと、責任を感じることはないと翼に言っていた・・・・と解釈すると暦の株もかなり持ち直すんじゃないでしょうかw

●猫物語(黒)の真相

だから、翼は障り猫の性質を全てわかった上で、猫が自分の目論見通り動くよう恩義を感じさせた上で、自分に取り憑かせていた・・・・むしろ、翼が猫を取り込んでいたのです。

よって、猫物語(黒)の忍野メメと暦の

「戦略と戦術を以って人(暦)を襲う怪異(猫ではなく翼のこと)なんて、そんなの聞いたことねーや。最初からわかっていたことではあるけれど、やっぱり只者じゃなかったね、委員長ちゃんは。人(暦)を襲う際の手際の良さといい、怪異(猫ではなく(略))のやることじゃないよ」
「(前略)それじゃあ羽川が、まるで積極的に人を襲っているみたいじゃないか」
「まあ・・・・そうなんだろうね。障り猫はそういう怪異じゃないはずなのに(翼の方が支配権を持ってしてしまっているから)。(後略)」

この会話はこんな意味になってしまいます。
(もし、表の通りの意味なら、「戦略と戦術を以って」動いていると断言しているメメが、「まあ・・・・」なんて間を空ける理由がありません。確実に裏に含むものがある演出がなされています)

「(障り猫の伝承にある)善良なる彼には元々、猫なんて取り憑いていなかったのだという」

だから、暦が言ったこの伝承の締め括りも全くその通りなんですよね。公正明大な翼にも黒い心があるなんて表のなまっちょろい嘘ではなく、メメすら恐れたマジでアレな翼が、障り猫なんて雑魚に取り憑かれる訳がないのです。

「(翼の両親をシメて望みを果たした段階で翼は一旦意識を取り戻した。)だけどすぐに戻った。否。委員長ちゃん自身が強く願って、自分から離れかけていた猫を引き戻し、更には取り込んだというのが正しいのかな。その瞬間、新怪異・ブラック羽川は誕生したという訳だ」

なので、猫物語(黒)の最後の方でメメが話したこの台詞も本当にこの通りでした。『本物の怪異』と言って良い翼が障り猫を取り込み変異したモノは、もう既存の障り猫なんて呼べる代物ではなく、全く別の、新しい怪異としか言えないモノだったから。

よって、傷物語の時も、

『翼はメメの目をかいくぐりながら、暦が忍に血を吸われるよう誘導していた』

と考えるのが自然ではないでしょうか・・・・原作は未読ですけどw

●忍野メメが町を去った理由

そもそも、暦が世界を滅ぼさないように忍との仲を進展させる、なんて解決法を『本物』が選択する訳がないんですよね。ひたぎのように自分の弱さから逃げる卑怯な『怪異』の力と決別するのが、そしてメメのようにそうできるよう手助けするのが『本物』の正しいやり方です。

よって、忍との仲を深めるのはその真逆、率先してズルの深みにハメるようなものです。

実際、『本物』である(と思われる)メメが町を去ったのも、もう『本物』のやり方では暦がアレすぎて助けることができないと判断したからでしょうし。

恋物語6話のラストで嘘吐きな貝木が

「しかし、忍野の奴はこんな時に一体何をしているのだろうか。あのお人好しが、子供の前では格好をつけたがるあの男が、姿を現さないなんてことが果たしてあるだろうか」

こんなことを言いますが、『お人好しで子供の前で格好をつけたがる貝木』と違って、厳しいやり方しかできないメメでは、心が弱く自分でズルを止めることができない、道を踏み外してしまった暦を助けることなんて、もうできはしないのです。

化物語10話(なでこスネイク2話)のメメの台詞、

「阿良々木君は忍ちゃんを見捨てればいつだって、完全な人間に戻れるんだ。僕としては、それも忘れないで欲しいな」

こそ、メメが本当に望んでいたことなのだから・・・・。

●翼と扇

と、こんな感じなので、今回の翼の

「だけど、まあ、私なら、(暦の心の闇を暴く=暦をより怪異化させる企みを)もっと上手くやったけど」

「私から見たら、(かつての翼のように他の怪異を利用して暦の怪異化を進めているように見える)あんなに危険な子はいないんだけど」

「阿良々木君は(翼が仕組んだ)春休みのことを地獄って呼んでいたけれど、阿良々木君の本当の受難は、(扇によって引き起こされる)これからなのかもね」

これらの台詞は、()に書いたような含みになります。そして扇もその意図を察していたから、上に書いたような台詞を返していました。扇は違うと皮肉ったのか、扇もそうだから真っ向から受けたのかまではわかりませんが・・・・。

●羽川翼も怪異可愛い!w

とまあ、翼の株を暴落させたところで、ここからは翼の株が上がる話を少しだけしたいと思いますw

上記のように猫物語(黒)までの翼は真っ『黒』でしたが、猫物語(白)の虎はおそらく純『白』な気持ちから出たもので、今の翼はだいぶこっち側になっている・・・・はずです。

では翼はどうしてそんな気持ちを持つことができたのか? それは上記のように、猫物語(黒)で、暦がまさに命懸けで翼にぶつかってくれたからです。

「いいよな・・・・。いいよな、羽川。僕達、みんなろくでもないけど、すっげぇ不幸で、滅茶苦茶報われなくて、取り返しなんて全然つかないけど、一生このままなんだけど、それでいいよな」
「・・・・良い訳、ないでしょ」

そして、暦の台詞にこう返した翼が、猫物語(白)に繋がり、今回は翼が暦を助けようとしているので、そんな翼も怪異可愛い! ってことで良いんじゃないでしょうかw

あと、元々アレな阿良々木君なので、傷物語で翼が手を下さなくても、結局は時間の問題でいずれ吸血鬼になっていたと思いますし。

●ひたぎと暦は本当に両思い?

ただ、そうすると猫物語(黒)や傾物語4話でメメが

「僕はてっきり、阿良々木君は委員長ちゃんに恋しちゃってるんじゃないかと思ってたけれど」

「ところで、このルートXの阿良々木君は、意外なことに戦場ヶ原さんと付き合っていたんだけれど、そっちの世界では、誰と恋人同士になっているのかな」

わざわざこう繰り返すのが気になるんですよね。

『怪異』に関わってしまった子達の中で一二を争うくらいまともそうに見えるひたぎと、作中で一番アレなアレに見える暦のカップルより、アレ同士な翼と暦の方が上手くいきそうな気がします。暦もひたぎより翼の方に気があるような描写が多いですし。
(勿論、暦にとってはひたぎに手綱を握って貰った方がいいのでしょうが、それはつまり、ひたぎが丸々貧乏くじを引き受けるってことなので)

まず、鬼物語4話で暦が

「そんなこと(真宵を成仏させること)になるくらいだったら、僕が一生お前と道に迷ってやる。
(中略)
それならお前は迷い牛としての本分を発揮し続けているから、何の問題もない。
(中略)
半分吸血鬼である僕の寿命が、あとどれくらいあるのか知らないけれど、少なくとも十年や二十年くらいは生きられるだろう」

こんな戯言を言った時からずっと思ってましたが、暦は本当にひたぎのことが好きなのでしょうか?

真宵のために二十年、いや死ぬまで一緒に迷うならひたぎのことはどうするつもりなのでしょう? 何より、自分の寿命が二十年くらいしかないと思っているなら、そんな暦がひたぎと付き合っていいのか悩んだりしなかったのでしょうか?

また、化物語5話(まよいマイマイ3話)でも、ひたぎは「I love you」と外国語で、暦は「戦場ヶ原、蕩れ」と他人の言葉で告白していて、本心ではない暗示がかかっている気がしてなりません。
(暦の方は、好意を寄せてくれたひたぎの言葉、と解釈すればまた違ってきますが・・・・)

更に、憑物語でも暦は、骨折した指を治す時、ひたぎではなく翼のおっぱいのことを考えていましたし・・・・。

これらより、暦とひたぎは、翼が『黒』い思いで暦を怪異側に引き込もうとしていることに気付いていて、そのために恋人を演じている・・・・のかなと思ってみたり。

そう考えれば、まよいマイマイで「翼の匂いがする」とひたぎが過剰に反応した説明もつきますし、鬼物語の暦の発言も問題ではなくなります。

・・・・何ていうか、そろそろ本気で暦のアレな言動の理由を探さないと表の流れを信じたら暦がクズ野郎にしか見えないですし・・・・w

●ゼロサムゲーム?

ただ、上記は今回の扇と翼の会話からわかった裏の流れに寄りすぎていて、正解はもう少し表と整合性を取ったものなのだと思いますけど・・・・まあ、物語的な余白が大きすぎるので、そこら辺の加減はもう各自が好きな割合でって感じな気がします。

暦をクズの極みにして翼を大天使と解釈したり、その真逆だったり、中庸だったり・・・・どうせ答えが明示されることはないでしょうしw

例えば、猫物語(白)で忍がしたナポレオンの話、

「表とか裏とか、そんなのは表裏一体みたいなもんなんじゃがのう。(中略)詰まるところ、別々の事柄に思えるようなことでも案外繋がっておるのかもしれんとワシは言いたい訳じゃ」

とか、ひたぎと翼がしたサラダの味付けの話からの、

「嫌いなものがあるっていうのは、好きなものがあるのと同じくらい大切なことじゃない。それなのに貴方は何でもかんでも受け入れちゃうじゃない。私のこともそうなのかもしれないし、阿良々木君のこともそうなのかもしれない。なんて思うんだけれど・・・・。
(中略)
ねえ、羽川さん・・・・貴方、本当に阿良々木君のこと好きだったの? 今でも阿良々木君が好きだって、もっかい言える?」

などより、翼は単に好きになったアレな暦をそのままに受け入れたから暦をより『怪異』化させるなんて方法に至ってしまっただけ・・・・なのかもしれないですし。

まあ、翼のカルマが減れば暦のカルマが増えるし、結局カルマの押しつけ合い、ゼロサムゲームでカルマの総量だけは最初から決まっていますけどw

といったところで、

終物語 第5話「そだちロスト 其ノ貳」

に続きますw


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2015年10月30日 03:42 by 元会長
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