さて、今回はジェノスが断トツのぶっちぎりでMVPをかっさらっていましたw 何せ災害レベル「神+」にもなり得た怪人ワンパンマン(サイタマ)の芽を未然に摘んでいたのだから・・・・。
まあ、怪人にまで闇堕ちする可能性はまずないと思いますが、サイタマの引退(ヒーロー協会を抜けてボッチ活動に逆戻り)くらいは十分にあり得て、実質S級一位を協会に繋ぎとめたのだから、やはりジェノスの功績は偉大だったと言う他ありません。
●もしサイタマが・・・・
何せサイタマほどの力を持った者がボッチ活動をするなんて、人類の大きな損失です。ジェノスが
「あの時、ヒーロー協会が俺じゃなく先生に救いを求めていれば、先生とメタルナイトが協力すれば、被害を最小限に防ぐことができた」
と言っていたように。1話でバ・・・・ワクチンマンや巨人と戦った時のように。
そしてきっと、サイタマもそれを認識していました。
隕石を破壊し、その破片が降り注ぐ町で「一件落着だな」と言った時、サイタマの左側に入っていた横線がその演出です。
仮に、この時点では「もっと何かやりようがあったはず」などの漠然とした思いだったとしても、上記のジェノスの言葉で、サイタマにもその理由が認識できてしまいました。
勿論、役割的に考えると、それはサイタマではなくヒーロー協会に一番の責任があります。ヒーロー協会は、ヒーロー達が(ボッチの引きこもりでも)効率的に活動できるようサポートするための組織なのだから。
しかし、だからといってサイタマがコミュ・・・・ニケーションに不自由なままでいい理由にはなりません。なので、サイタマの後悔、「もし、日頃から自分が周囲とコミュニケーションを取れていたら・・・・」という思いが消えることもないでしょう。
だから、「目は口ほどにものを言う」との言葉にもあるように、「目≒口≒心」を隠し、そんな後悔を隠し、
「それにしても、あの程度でこんなにランクが上がるのか」
と呟いてサイタマが外に出たのは、上記のような後悔から町の様子が気になったからです。6話感想で書いたように、引きこもりのサイタマにとって外は「最恐の都市」であったにもかかわらず・・・・。
●他人の評価なんて・・・・
その後、町に出たサイタマにタンクトップ兄弟が絡んできて、兄弟に扇動されたモブ達も一緒にサイタマへの非難を始めます。それに対しサイタマは、
「いいか、俺はテメーらの評価が欲しくてヒーローやってんじゃねーからな。俺がやりたくてやってんだ! 恨みたきゃ勝手に恨め、ハゲ!」
と啖呵を切るわけですが・・・・。
まず、サイタマの声が裏返りかけています。
上記のような後悔があったとしても、サイタマだからこの程度の被害で済んだんだという思いもあるでしょう。また、ヒーローをやりたくてやっている、というのが全くの嘘って訳でもないはずです。
しかし、他人からの評価が欲しくないというのは明らかに嘘で、これはサイタマの売り言葉に買い言葉、精一杯の強がりでした。
何故なら、今回もサイタマの方からジェノスに
「そういや、俺らのランキング順位上がってんじゃね?」
と話を振っていて、これまでもランキングの話は全てそうなっているからです。
ジェノスのように本当に他人の評価を気にしない者は、データとしてランキングの推移を把握していても、わざわざ話題に挙げたりしないでしょう。
サイタマのように自分では見るのが恐くて、興味がないフリをして、無関心を装いつつ、ことある毎に話題に出したりはしないのです。
まして、C級五位になったと聞いて、マンションの近影を映して(「姿≒顔≒表情≒心」を隠して)、ムッツリと獲物(他人からの評価)を狙い続けていた(心の中の)カラスを解き放って、喜びの声を上げたりしないはずです。サイタマの緩んだ顔にもそんな思いが漏れ出していましたし。
(ハトやスズメでなく、わざわざカラスが選択されている辺り、どんな演出意図があるのかは明らかでしょう)
S級十七位になって眉一つ動かさなかったジェノスと比べれば、サイボーグの無表情を差し引いても、サイタマの浮かれぶりは明らかです。
なので、(サイタマに会うまでは)自らボッチになっていた孤高のボッチと、望まずボッチになってしまった孤立したボッチの差が対照的に演出されていましたw
●至高の弟子!
それはジェノスが、声を裏返らせそうになりながら強がるサイタマを静かに諌めたシーンにも表れています。
扇動された愚民を相手に何を言っても無駄だとわかっていたジェノスと、感情のまま反論して更なる悪評拡大を引き起こすところだったサイタマのシーンに。
更に、その後、二人で夕暮れの町を歩きながら、ジェノスは
「先生。俺はサイタマ先生ほど優れた人間を見たことがありません」
「例え世間に評価されなくても、俺は先生についていきます」
と、サイタマが本当はずっと望んでいた他人からの賞賛まで与えてくれたのです。
だから、サイタマにとってジェノスは、
『至高の弟子』
と呼ぶに相応しい大切な存在になっていました。ジェノスに重なりながらサイタマを照らす、眩しく温かい夕日のように・・・・。
といったところで、
ワンパンマン第8話「深海の王」
に続きますw
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