さて、今回はサブタイトルにあるように様々な「寄り添うかたち」が示されました。なので、各々の「かたち」を比べつつ、一番気になったオルガ・イツカのことを色々書いていきたいと思いますw
●タービンズと鉄華団
まず、オルガ達がタービンズの母船に突入すると、(後に明かされますが)そこは女ばかりの名瀬・タービンズのハーレムでした。
更に、後にアトラとクーデリアがタービンズの母船で赤ん坊に会うシーンが描かれます。
だから、タービンズは親がいて子供がいて、親が子の面倒を見るという、『仲間』にはない『親子≒家族』の「かたち」を作っていました。
よって、これが「寄り添うかたち」の一つ目、一夫多妻の『家族』です。
これに対し、後に名瀬が鉄華団のことを、
「まあでも、血が混ざって繋がって、か。そういうのは、仲間っていうんじゃないぜ・・・・家族だ」
と評します。
しかし、オルガはそう言われるまで・・・・いえ、きっと、言われた今も、鉄華団のことを『家族』とは思えていないはずなのです。
何故なら、タイトルにもなっているオルフェンズとは『孤児』のことであり、マルバのような者に使い捨てにされてきたオルガ達が『家族』というものを実感できたことなんてあるはずがないからです。
だから、仮に『家族』のような繋がりを築けていても、『家族』を知らない者がそれと認識できる訳がありません。
なので、7話感想では、三日月が鉄華団を『家族』のように思っていると書いてしまったのですが、きっと三日月も離れられない『仲間』としか認識できていない・・・・はずです。
だから、一夫多妻の『家族』と、ほとんどが男の『仲間』が、互いを対照的に浮かび上がらせる良い演出になっていましたw
あと、細かいところをいえば、互いに「こんなんじゃ駄目だ」と上を目指し合い、意識し合うオルガと三日月が二つ目の『仲間』の「かたち」の亜種だったり。
●死に場所
ただ、名瀬が鉄華団を『家族』と言うことになったオルガの台詞に問題が山積みなのです・・・・。
「離れちゃいけない」などに『ウホッ』となる汚れた大人の感想はスルーするとしてもw、オルガが
「(前略)あいつらの『死に場所』は、鉄華団の団長として俺が作る!・・・・それは俺の『死に場所』も同じです。あいつらのためなら、俺はいつだって死ねr」
こんなことを言うんですよね。
『居場所』じゃなくて『死に場所』。生きるためじゃなく、せめて無駄死にじゃなかったと何か『大きな仕事』を成し遂げたという思いを胸に、死ぬための場所を探している・・・・と。
オルガの表層意識では精一杯前を向いているつもりなのでしょうが、今までの体験がアレすぎて、心の深い部分で、もう真っ当に生きることを考えられなくなっているのです。
だから、これまでの記事でも散々書いているのですが、オルガは団長の器じゃないんですよ。
(少なくとも僕はこんな団長の下で戦いたいなんてアリの触覚の先ほども思いませんw)
まあ、傭兵なんて集団の長は多少アレな方が良いのかもしれませんが、それにしたって「死ぬために傭兵ビジネスをする」なんて、アレな中でもかなりのマイナー層ではないでしょうか・・・・。
●流石オルガのお父さん!w
だから! そこで名瀬が出てくる訳です。僕は上に書いたようにオルガを非常に問題視しているので、そんなオルガの采配で最初の犠牲者が出た時に、名瀬が言った
「(前略)ガキどもがお前の命令一つで死ぬ。その責任は誰にも押し付けられねぇ。オルガ、団長であるテメーが一人で背負えんのか?」
こんな展開が来るのではないかと常にその影をオルガの中に見てました。
・・・・まあ、せっかく名瀬がこう言ってくれたのに、オルガは既に『死に場所』を決める覚悟はある、なんて斜め下の覚悟を決めてしまっていて、事態は思ったより更に深刻な訳ですが・・・・。
でも、名瀬がテイワズのボスとの面会を手配してくれたり、武器の売却を斡旋してくれたり、上記のような『家族』のことや団長の責任といったものを諭してくれたり、
『大人の役目を担ってくれる』
っぽい雰囲気を醸し出してくれてます!w
上記のように、タービンズは『家族』であり、名瀬はそこの『父親=大人』です。そして、鉄華団は『孤児=子供』の『仲間』集団であり、そこに親の姿はありません。
メカニックのおっさんは脳筋なので、これらの話は無理っぽいですし(偏見)w
だから、名瀬(タービンズ)が『孤児』達を引き取り育てていく『大人』役になるのかな〜と思ってみたり。
名瀬との話の後、オルガが頭を抱えながら座り込み、
「商売の話はあくまで対等にしなけりゃなのに、あんなガキ扱いされて・・・・」
こんなボヤキを漏らしてますしw
よって、『名瀬(大人)に寄り添うオルガ(子供)』というのが、三つ目の「寄り添うかたち」だったのだと思います。
●大人と子供 その2
あと、名瀬が言っていた「財産とは?」と一人で悩んでいたクーデリアをアトラが気分転換に連れ出して、その憂さを少し晴らしてくれました。
だから、男所帯の中で浮いている二人が、女の子にしかわからない感性(赤ん坊に癒される、など)で支え合う、というのが四つ目の「寄り添うかたち」になっています。
更に、名瀬とオルガの関係に重ねて、女の子(子供)二人が、『(赤ん坊などがいる)本来の家族の形』を構成しているタービンズ(お母さん=大人)に寄り添って、というのが五つ目の「寄り添うかたち」・・・・だったのではないでしょうか。
だから、その流れで次回、
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第09話「盃」
に続いていくのかな〜なんて思いつつ、今回の記事を終わりますw
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