さて、4話感想で書いたように、
『ワンパンマンのサブタイトルの前半部分には、サイタマを暗示する裏の意味が隠されています』
では、今回の「深海」にはどんな意味が隠されているのかというと、
『サイタマの心の奥深く』
といった感じです。
川のように流れたり、湖のように停滞したり、泉のように湧き出したり、移ろい易い瑞々しい水は、瑞々しい心の演出なので。
だから、今回はサイタマが自分の心の奥深くへと潜り、本当の気持ちと向き合おうとする、そんな回になっていました。
(心の中に「潜る」と書いても違和感がなかったり、雨を「涙≒心」に見立てることが多いのは、水が『心』を連想させる存在だからです)
●落ち込むサイタマ
では、どうしてサイタマが自分の心と向き合うことになったのかというと、7話感想で書いたように、
『前回、サイタマが周囲とコミュニケーションを取れなかったせいで、町に甚大な被害をもたらしてしまったから』
です。
しかも、そのせいで市民達に
「俺はテメーらの評価が欲しくてヒーローやってんじゃねーからな」
なんて心にもない啖呵を切ってしまい、今回のOP明けのように、サイタマはちょっと落ち込んでいました。
本当は他人と普通に接したいのに、ヒーロー協会とすらコミュニケーションを取れず、町に甚大な被害をもたらして、それを気にしていたのに、市民達に心にもない啖呵を切ってしまい、本当にこのままでいいのか、サイタマの心が揺らぎ始めている演出です。
なのに、ジェノス(に電話をかけてきたヒーロー協会)に、
「先生、先生が先日通りすがりに倒した敵は、深海族と名乗っていたんですよね?」
「覚えてねぇ」
と協力を求められると、サイタマは「テメーらの評価が欲しくてヒーローやってんじゃねぇ≒だからボッチで行動してるんだ」という自分の嘘に引きずられ、こんなぶっきら棒な答えを返すのでしたw
●曇りのち雨
でも、その電話でジェノスがJ市の救援に向かうことになると、冒頭のタコの強さからサイタマが行かないとマズいと思ったのか、単にスティンガーがやられそうだったからなのか、サイタマもそれに同行します。
だから、スネているだけといえばそうなのですが、今回ずっと町に圧し掛かる曇天が、そんな晴れないサイタマの心を重〜く演出していました。
しかも、一緒に行動していたジェノスが、
「俺が先に行って場所がわかり次第、すぐに先生に連絡します」
と、一人で先行してしまいます。
でも、連絡しようにもサイタマはスマホを持ってません。だから、また他人との繋がりから外れてしまったと、サイタマの心はどんどん沈んでいったのです。
最初はヒーロー協会の警報で「災害レベル・虎」だと聞いて、別に自分が行かなくても問題ない、と思い込もうとしたけれど・・・・。
でも、「災害レベル・虎」が「鬼」になり、Bパートの冒頭では街頭モニタで
「(前略)戦いを挑んだ数名のヒーローは現場で倒れているところを発見され、現在意識不明の重体」
なんてニュースが流れ、ついにサイタマの心は土砂降りの雨模様になってしまいます。また、自分が普通にコミュニケーションを取れていたら防げたはずの被害を出してしまった、と・・・・。
●今度こそ・・・・
そんな中、サイタマは無免ライダーに出会い、一緒に行動しようとします。
でも、サイタマが「
・・・・もしくは無免ライダーとどう接していいのかわからなくてソニックとわかっていながら別行動をしたために、またボッチになってしまいました。
しかも、土砂降りの雨の中、落ちていた携帯電話に出てみれば、S級さえ負けた相手に無免ライダーが挑もうとしているなんて最悪の状況になっています。
もし、サイタマが別行動をしなければ・・・・独り立ち尽くすサイタマには、もう降りしきる雨の音さえ聞こえませんでした。
でも、無免ライダーの携帯で話を聞いて、遂にサイタマはヒーロー協会の担当に自分の名前を名乗ります。今度こそ「最強の敵=1話で面接に落とされまくってからずっと逃げ続けている他人との交流」と戦うために、真のヒーローとなるために!・・・・と、いったところで、
ワンパンマン第9話「不屈の正義」
に続きますw
スポンサード リンク
スポンサード リンク