【物語シリーズ 終物語11話】ヒロイン達のヤバさランキング!【化物語/囮物語/恋物語 感想・考察】


終物語 第11話「しのぶメイル 其ノ伍」

さて、大半のアニメの主人公がそうであるように阿良々木暦君も色々な欠点がありながら総合的には良い人だと思われている方はここでお帰り下さい。あと羽川翼、老倉育に関しても同様・・・・かもしれません。









●ヤバさランキング!

という訳で早速、個人的な「ヤバさランキング」を書いてみると、

【第一位】
羽川翼

【第二位】
神原駿河
戦場ヶ原ひたぎ
八九寺真宵

【第三位】
千石撫子
老倉育

【不明】
忍野扇(二位以上は確定)
斧々木余接(二位以上は確定)
阿良々木月火(二位以上は確定)
阿良々木火憐(三位以上は確定)

こんな感じになります。戦場ヶ原ひたぎ、神原駿河、八九寺真宵の詳細については、

ひたぎ:終物語5話感想
駿河:終物語7話感想
真宵:終物語10話感想

をご覧下さい。

では、どうしてこうなるのか? そのキーワードは臥煙伊豆湖が前回(終物語10話)で言っていた、

「『責任』を取って貰うのさ。だから取らせてあげるのさ、『責任』を引き取らせてあげるのさ」

より『責任』です。

よって、栄えない汚名にまみれた第一位、おそらく実の両親を殺し、猫物語(黒)では阿良々木君を殺そうとしたついでに育ての両親や周囲のニンゲンを通り魔的に襲いながら、『責任』を猫に押し付けて一切の『責任』を取っていない、○○の極み、羽川翼です。
(阿良々木君を殺そうとする猫と、それを拒む阿良々木君への恋心=後に虎となって排出される思いが内部では対立していたはずですが)

まあ、これに関してはあまりに長くなるので次回まとめて書く予定です・・・・。

第二位の三人も、一度は、蟹に重みを奪われた、不運にも交通事故に遭ってしまった、猿の手に意に反する形で願いを叶えられてしまった、と

『自分の悪行は自身の意思で行ったものだと受け止めるという、本当に最低限の『責任』さえ怪異に押し付けた○○達です』

しかし、母親が悪徳宗教にハマったのはひたぎのせいだという後悔を受け止めることで、(自殺を望んだ癖に幽霊なんてズルで存在し続けている真宵がこれ以上ズルを続けてはいけないと)旅立つことで、ひたぎへの思いを切り捨てず告白すること(と猿の手を受け止めバスケの選手生命を諦める)ことで、数年越しに『責任』を自ら取ることのできた者達でもありました。

●撫子はセーフ!

なら、どうして撫子が第三位になるのか、もうおわかりではないでしょうか。

囮物語4話でお札を飲む瞬間ですら、撫子は

「て、手遅れなことくらい・・・・私が一番わかってるよーーーー!」

とそんな行いをする(お札を飲み込もうとする)自分が悪いのだと、最初から自分の非を認められていました。

「なんで・・・・? なんで忍さんは助けるの? 暦お兄ちゃん・・・・撫子のことは助けてくれなかったのに!」

神になってすら、こんな人の感情を失くさなかったのだから。

蟹に思いを丸投げしているからそもそもそんな思いを抱かない、交通事故を言い訳に自分の人生を終わらせたからもう両親のことで悩まない、猿の手を言い訳にしているからそんな思いを抱かない、猫になったことすら自覚しないから悩みようがない・・・・

なんて○○どもに比べたら、撫子は、"お札を飲むのはクチナワへの贖罪"だなんて卑しい言い訳で全ては撫子が手遅れなせいなのだと最初から認識できていた、初めから怪異に逃げることなどできはしなかった、自分の行動は自分のせいなのだと受け止められるギリギリ最低限の『責任』を持っっていた、れっきとした『ニンゲン(モドキ)』だったのです。

・・・・他がアレすぎるので、これでも作中では最高クラスに真っ当な『ニンゲン(モドキ)』なんです、ホントに・・・・w

●真宵もセーフ?阿良々木君はアウト!

まあ、真宵だけは犠牲にしたのが自分の命で、しかも普通に暮らすだけで両親を不幸にする『怪異(モドキ)』の身の上でした。だから、そんな真宵から両親を救いたかったなんて動機なので、自分の命だって育ててくれた両親や周囲の人のものでもあるなんてことも簡単にはいえなくて(そんな周囲の人のための自殺なので)、限りなく第三位に入れてあげたい気持ちになってしまいます。

・・・・しかし、自らの『責任』で、自分の手を汚して自分を終わらせられなかったのに、辛い役目を『怪異』に押し付けた卑怯さは弁護のしようがありません。

勿論、周囲を不幸にしないよう妥協点を見つけて生きていくってのが正解で自殺ですら全然アウトなんですけど・・・・他がアレすぎるので、ひたぎ、駿河に比べてさえ大天使にしか見えないというか・・・・w

逆に、そんなヒロイン達と比べてすら異臭を放つ、翼でも虎と戦い涙と共に虎を受け入れているのに、未だに一切の『責任』を取っていないゴ○ク○が一匹いる訳ですが・・・・。

●神様だから!

よって、前回(終物語10話)で臥煙伊豆湖が

「ここ(北白蛇神社)はそういう(霊的なものが溜まり易い)場所だったからこそ、かつて私なんかとは比べ物にならないくらい名のある陰陽師が社を建てて神様を祀って、押さえ込みにかかったという訳だ。
(中略)
ここにより集められる、怪異の材料となるようなよくないものは適度に散らされていた。良い神様がいたんだねぇ」

と言っていたように、(忍とのペアリングが切れて尚、聖水で浄化されてしまうような:2015/12/13追記)不浄でよくないものの塊である阿良々木君を散らすのは神として当然の仕事でした。撫子が阿良々木君を殺そうとし続けても"くらやみ"に襲われなかったことがその何よりの証です。

だから、(ひたぎへの思いを切り捨てる言い訳として)阿良々木君を殺したいと願い悪魔になった駿河と違い、

『撫子は神になったから阿良々木君を散らしたくなっただけ』なのです。

だって、北白蛇神社の神になったのなら、上記のように神として化物を殺すという絶好の言い訳がありました。もし撫子が他の○○達と同じく、自分の意思で『責任』から逃れようと神を生み出せたのなら、その言い訳を使わない訳がありません。殺人(未遂)の罪を猿に着せた駿河のように、真っ先に蛇のせいにしたでしょう。

そんな卑しい言い訳に辿り着ける(言い訳を探し出せる)ほどスペックだけは無駄に高くて、自分はホントに神なのだと信じ込めるアレさを兼ね備えた○○中の○○だけが、扇の謀略がなくても自力で『怪異』にまで成り下がれてしまうのです。

だから、神になって開口一番、

「なんで・・・・? なんで忍さんは助けるの? 暦お兄ちゃん・・・・撫子のことは助けてくれなかったのに!」

なんて自分の罪を告白するに等しい台詞を言ってしまった撫子が、自力で『怪異』に成り下がることなどあり得ない、立派な『ニンゲンモドキ』だったのは明らかでした。
(よって、そんな撫子を神に貶めたことが、忍野扇が『怪異(モドキ)』であると言える理由その一です)

●撫子にはできても・・・・

もしそうでないなら、偽物語では阿良々木君を自宅に呼んで、囮物語では電話で相談しながら、撫子は裏でずっと阿良々木君を殺すチャンスを窺っていたのでしょうか?

なら、撫子が囮物語3話で、最後にクラスメイト達に啖呵を切った理由は? その後に

「別にさっきのは撫子ちゃんの体を俺様が操って好き放題言って回ったって訳じゃねぇからな。単に俺様と『同化した影響が顕著に現れた』というか、普段撫子ちゃんが自分にかけている枷が解けちまったってだけだ」
「わかってるよ、五月蝿いなぁ。あれは撫子。他の誰でもない千石撫子。(後略)」

こんな会話を捏造した理由は何だったのでしょう? どうして他のアレな連中のように全部『怪異』のせいにしなかったのでしょうか?

更には、

「とりあえず撫子の人生と学校生活は終焉を迎えたとして、だからもう、ついでにいっそ全部終わらそうか」

なんて心配までして。他のマジもんの○○どもはこんな心配をしないために、そうならないための言い訳に『怪異』を生み出しているのに、

『怪異と同化した影響が顕著に現れたせいで人生と学校生活が終焉を迎えたのでは本末転倒すぎます』

よって、撫子自身は、囮物語で描かれた輪っかニンゲンのようにしかニンゲン達を認識できず、自分を闇の心を持った異端だと感じていたのでしょうが、マジに狂っている阿良々木君達から見れば全くの常人でした。

だから撫子はニンゲン達にも化物達にも溶け込むことができず、作中で一番孤独な存在だったのだと思います。

そもそも、他人を拒絶し「助けて」とすら絶対に言わない阿良々木君、他人に対する一切の感情を捨て去っていたひたぎ、生き返りたいと欠片も思わない=ニンゲンの世界には何の未練もない真宵、「野生として落第」と言われるほど(翼から見れば塵芥に等しい)他人など全く眼中にない翼、とアレなアレは孤独なんて感じないからアレな訳で・・・・。

ニンゲンとしての「人生」や「学校生活」に執着できていた、最後にクラスメイト達と繋がりたいと思いの丈をぶちまけられていた撫子が、第三位に相応しいことは明らかでした。

また、翼はおそらく実の両親を殺してますし、育ての両親を、その家庭をボロボロにしています。猫の一件で翼の心が少し改善しただけで、育ての両親の仲も回復したのがその証です。

望む望まないに関わらず、ひたぎでも母親の心を壊していますし、真宵ですら両親を離婚させています。

なら、恋物語で貝木が(普通には認識できなくて)回想形式のイメージ図でしか描けなかった撫子の両親が無事な時点で、両親が普通に暮らせていた時点で、撫子が真っ当な『ニンゲン(モドキ)』だったのは疑いようがありません。

なので仮に撫子が本気で

「絶対に叶わない恋をし続けるって意味なら、暦お兄ちゃんに死んでて貰う方が、ずっとロマンチックじゃない?」

と思っていたとしても、せいぜい妄想の中で阿良々木君を殺すだけ、最悪でも撫子の意思=『責任』で物理刃傷沙汰を起こすだけだったでしょう。そんなことをしたのは「撫子であって私じゃない」なんて思い込もうとしても、他のマジもんの化物どもと違い、上記したように最後まで撫子は怪異に逃げることなんてできはしなかったはずです。

だから、神になって阿良々木君を殺そうとしたのは、それがたまたま神の行動方針と一致したからにすぎません。もし、それが神の在り方に反していたら、撫子ではそれを曲げてまで阿良々木君を殺そうとすることなどできなかったでしょう。

勿論、だから無罪って話ではなく、撫子が神になってしまったのは扇の陰謀によるもので、撫子の恋心がアレすぎてそれが殺意に変わり『怪異』に成り下がった訳ではない、本来撫子が神に成り下がる要素なんてどこにもなかったという話です。
(扇は撫子が生み出した怪異だった、というなら別ですが、もし扇が怪異だったならそれを生んだのはどう見ても阿良々木君でしょう)

それに、ひたぎの蟹と同じように、撫子が自分からナメクジ豆腐を抜け出そうとする時に、そこら辺はしっかり悔いることになると思いますし。

・・・・あと、リアル刃傷沙汰はいいの? って話が残るのですが、他があまりにもアレすぎて、老倉育や戦場ヶ原母でさえセーフ判定なので・・・・w

それに撫子はせいぜい妄想するだけでリアル刃傷沙汰までは起こせないニンゲン可愛い子だと信じてますから!w

●阿良々木君の本心

だから、阿良々木君の行動にもそれが表れていました。

阿良々木君は、困っている『誰か』を見たら放っておけない、なんて言い訳で自分の行動を誤魔化していますが、不特定の『誰か』を助けたいなんて欠片も思っていません。

だって、公平に誰でも助けたいと思っていたなら

猫物語(黒)の翼、化物語5話/鬼物語4話の真宵、化物語10話で撫子を呪った見ず知らずの中学生>>>ひたぎ、駿河>>>神になる前の撫子>>>育

こんな訳のわからない優先順位にならないからです。

囮物語で撫子はまた蛇に遭ったと言ってたんですよ? なのに阿良々木君は撫子からの電話を適当にあしらうだけで全く相手にしませんでした。

育だってどんなヤバい心理状態になっていてもおかしくない二年もの間、ずっと登校拒否を続けていたのです。

『怪異』的には危険がなかったとしても、戦場ヶ原母のように『ニンゲン』的に壊れない保障なんてどこにもありません。

ひたぎに重さがないとわかったその日に行動していた、猿に襲われてすぐ駿河の家を訪れていた阿良々木君が『任意の誰か』を助けたいと思っているなら、「おうぎフォーミュラ」でそれを思い出した直後に育の自宅を訪れているはずです。

「まよいマイマイ」の真宵だって、いずれ問題解決をしたいと思ったとしても、差し迫った危険は皆無でした。蛇が見えたと訴えた撫子や、二年間登校拒否を続けている育より喫緊の問題だったなんてあり得ません。

何より、撫子を呪った見ず知らずの中学生が、撫子や育なんかとは比べものにならない、ほぼ最優先で助けたい相手になるのだから、困っている『誰か』を平等に助けたいなんて思っている訳がないんですよ。

化物語10話ラストの阿良々木君の台詞、

「止めてくれ千石。お願いだから。ありがとうなんて、言わないでくれ。お前からそんなことを言って貰う資格はない。(後略)」

の演技がずっと引っかかってましたし。どうしても後悔の気持ちがこもっているように聞こえないんですよ。むしろ、見ず知らずの中学生を救えなくて撫子を逆恨みしている、なんなら八つ当たりしたい心を必死で抑えている、そんな演技に聞こえます。

だから、阿良々木君はきっと最初から撫子のためじゃなく、その見ず知らずの中学生に蛇が返らない様に、見ず知らずの中学生を守るために、そのついでに撫子を助けていただけでした・・・・多分。

よって、阿良々木君は、単に自分が重なってしまう『怪異』に成り下がっている化物を見たら、発作的に、脅迫概念のように助けたくなるだけなんです。かつての自分を見るようで、蟹などに丸投げしていて尚、後悔、罪悪感に押し潰されそうだから。

ニンゲンどころか、怪異の素質があっても自力で踏み止まれている『怪異モドキ』さえ差別し、『怪異』に成り下がった者にのみ仲間意識を持つ生粋のレイシスト(差別主義者)・・・・ですらなく、ただ、自分の罪から逃げ出しているつもりが、あまりにも罪が重すぎて、幾度『怪異』に成り下がっても、ズルにズルを重ねても、重くて重くて潰れそうなだけなのです、きっと。

だから阿良々木君は、多少『怪異』の素質があろうが、自力で踏み止まれていた撫子や育への思いなんて小学生の時に綺麗さっぱり切り捨てていました。

でも、同じく理由を捏造しては思いを切り捨てていた駿河との一件を経ていたから、阿良々木君は何とかギリギリ撫子を再び切り捨てることだけは踏み止まることができたのです。

そんな訳で、阿良々木君の対応からも、撫子と育が第三位なのは明らかではないでしょうか。

●育はニンゲン

まあ、育に関しては・・・・終物語6話の扇の台詞、

「思いつくだけで気持ち悪くなるような、ことの真相を」

が非常に引っかかっていて・・・・扇や翼の答えがアレすぎて、気持ち悪いというより、アレすぎて呆れたって感じではなかったでしょうか?

「気持ち悪い」というと、猫物語(黒)の阿良々木君の台詞、

「(父親を庇う)そんな羽川が、僕は友人として(というのは嘘で、かつて阿良々木君が自身の正しさを見せつけ父親を追い詰め殺した時のことを連想させるから)、素直に気持ち悪かった」

が印象深いですが、僕はこんな意味だと思っています。なので扇の台詞も

「思いつくだけで(自分の闇を再確認してしまい)気持ち悪くなるような、ことの真相を」

こんな意味になり、その少し前の翼の台詞、

「貴方最初にこんなことを思いついたの? 精査するまでもなく、私達の話を断片的に聞いて、それでまず思いついたのがこんな真相?」
「どういうものの考え方してるの、貴方。正気の沙汰じゃないよ、こんなの最初に思いつくなんて」

にも非常によく馴染むんですよね。

だから、アレな翼達の答えはそれでいいとしても、作中で阿良々木君が最も冷たくあしらった、最も『ニンゲン』に近い育の答えはそうではない・・・・気がしてなりません。

ニンゲンにこんなアレな発想は無理なんですよ。死臭に気付かない訳がない、肉が腐ったとしても骨は?、引越しの時に業者に見つかるよね? と、『怪異』がそこら辺を処理してくれないニンゲンには到底受け入れられないことばかりなので・・・・。

だから逆に、これに賛同した扇が『怪異』と同じ思考を持つ『怪異』である証拠、扇が怪異である証拠その二、になる訳です。

ただ、今頃になってやっと囮物語で撫子が阿良々木君を殺そうとした理由が見つかったりする、意地悪極まりない物語シリーズなので、いちエピソード前の「そだちロスト」のことを書いたところで当たる訳がない・・・・気がするのですが・・・・

一応、適当に、軽く書いておくと・・・・『ニンゲン』らしく自覚を持って母親を殺した育は、その罪悪感から夜も眠れない、何とかして心の平穏を手に入れたいと願いました。だから、父親を殺しておきながら平然と笑えていた阿良々木君なら予想を超える斜め下の答えを生み出してくれるはず・・・・なんて思いを抱いて・・・・みたいな。

なのでもしそうなら、『怪異』的にはOKでも『ニンゲン』的にアウトすぎる育も翼に並ぶ一位タイになれそうな気がするような、しないような・・・・。

といったところで、撫子に関してはだいぶフォローができたんじゃないかななんて思いつつ、

終物語 第12話「しのぶメイル 其ノ陸」

に続きますw


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2015年12月11日 19:53 by 元会長
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