さて、「ごちうさ」でまず気になるのは、頭にティッピーを乗せているチノの姿ではないでしょうか。
では、どうしてそんなことをしているのか? それは、
『チノが仕事モードになっているから』
です。
ただ、それには三つの要素が絡んでいて、その意味はなかなかに複雑です。
●まだ一人だと・・・・
まず、9話でチノが、
「千夜さん、私達、それぞれの喫茶店の跡継ぎになるんですよね」
と言っているように、チノは店の跡継ぎとして自覚を持って、責任を持って働・・・・きたいと思っています。
しかし同時に、チノはまだ中学生で、自分一人だけではどうしても気後れしてしまうのも事実でしょう。
だから、ティッピーを頭に乗せ、気後れする自分を「チノは祖父の代理=店の看板を背負っている」のだと奮い立たせているのです。
同じく9話で、チノが中学の職業体験に甘兎庵を選んだ時、頭に「あんこ(=店のマスコット≒店の看板)」を乗せないと調子が出なかったのもそのためです。
●人見知りだから・・・・
一方で、チノは同級生のマヤやメグに対しても敬語を使っています。チノは大人が多い環境で育ったせいだと言っていましたが、人見知りだから同世代の子と遊べなかった・・・・可能性も否定できません。
なので、因果関係がどちらだったにしろ、チノが少し人見知りでちょっと心の壁が高い子なのは確かでしょう。
だから一期では、チノがココアやリゼに対してなかなか心の距離を詰められず、仕事先の上司とバイトという関係を言い訳に、よそよそしくしてしまっていたのです。
しかし、
●1話のサブタイトル
1話でサブタイトルが映された時、
笑顔とフラッシュが
やかましい
これが私の『自称』姉です
と『自称』のところだけ、後から別の紙を貼り付けて書き直されたようになっていたのもそのためです。本心ではチノもココアを大事な姉だと思っているのだから・・・・。
●2話のあれこれ
そんな訳で、おそらくチノは自覚してないのでしょうが・・・・
例えば2話で、チノがココアと一緒に、リゼの家にお見舞いに行く時、頭にティッピーを乗せています。
だから、チノの表層意識では友達(≒バイト仲間)のお見舞いのつもりなのでしょうけど、まだ、心のどこかにバイト先の上司としてバイトの子のお見舞いに来た、そんな口実を必要とする、人見知りなチノが恥ずかしそうに隠れているのです。
また、その後、ココア達がメイド
「意外とバランス取りにくい・・・・チノ、凄いな」
と、まともに乗せることができません。
何とかしてみんなと一緒に遊びたいと思っていても、チノのように「ティッピー=口実」を見つけられないリゼの暗示になっていました。
(だからリゼは、ティッピーの「この部屋にはお前らしいものが足りんのう」というアドバイスを聞くまで動けずにいたのです)
更にその後、チノが「お嬢様(王様)ゲーム」でお嬢様になった時も、頭にティッピーを乗せています。だから、そこで
「ココアさん、もっと真面目に仕事して下さい。コーヒーの味を覚えて下さい。セロリを食べて下さい。寝坊しないで下さい。(後略)」
と、チノが本当に上司としてココアに苦言を呈するのと同時に、後半の仕事に関係ないことを言うためには、まだそんな口実が必要なチノの暗示になっていました。
●祖父バカ
あと、ティッピーがチノの頭に乗るのは、
チノに店を継いで貰いたい、チノに店の仕事を覚えていって貰いたい、それを見守りたいという思いの表れでもあるので、
・ちゃんと仕事をしようとするチノ
・仕事を人見知りの言い訳にするチノ
・祖父バカのティッピー
の三つの要素が絡む、ちょっと複雑な感じになっています。
3話のラストで学校から帰って来たチノの頭にティッピーが乗っていたのは、チノがバレーの道にいってしまうのではないかと心配しチノを繋ぎ止めようとしたティッピーの演出なのでしょうしw
●髪がぴょんぴょん
そんな訳で、仕事中にティッピーを乗せていることが多いチノが真面目に仕事しているのは明らかですが、ココア達もココア達なりに真剣に仕事に取り組んでいることが演出されています。
それが
『プライベートシーンでは髪がぴょんぴょんする演出』
ですw
ココアやチノやリゼやチヤやシャロが仕事をしている時は、動作に比べ髪がぴょんぴょんしないよう意図的に抑えられています。
ココアとか仕事中に遊んでいるように見えるかもしれませんが、ココアなりに心がぴょんぴょんしないように気を引き締めているのですw
例えば9話で、ココアとリゼが、リゼの父親とその戦友の話などをしながら歩くシーンで『ぴょんぴょんしていた髪』と、仕事中の髪を比べれば、ココア達の仕事に対する思いをわかって頂けるのではないでしょうか。
よって、あのシーンもちゃんと仕事の休み時間に外出しているだけ≒プライベートタイムであり、仕事中に遊んでいる訳ではないのです・・・・多分w
・・・・まあ、そうでなくても、少なくとも職場、ラビットハウスでココア達が気を引き締めているのは確かでしょうw
あと、それとは逆に、チノは、9話の甘兎庵などで「心≒髪」がぴょんぴょんしないよう髪形までお団子に変えていて、チノの真面目さが演出されています。
(更に3話のバレー教室でもお団子にしていて、プライベートというよりは、マヤやメグのために本気でバレーのレッスンを受けていることが演出されていました)
●EDでぴょんぴょん
だから、ED「ときめきポポロン♪」でマヤやメグと思い切り髪をぴょんぴょんさせるチノが、それらの演出の対になっています。
本編中では、チノはまだ人見知りを克服できずティッピー(仕事という口実)の助けが必要です。
でも、EDで伸び伸びと、年相応に、楽しそうに髪をぴょんぴょんさせるチノを見ていると、本編にもそんな未来が訪れることを確信せずにはいられません。
(6話のピクニックにもティッピーを連れて行っていたチノが、11話では遂にティッピーを残して山に一泊二日の旅行に出かけてますしw)
だから、見ている方も心がぴょんぴょんする幸せな時間を噛み締めながら、
【悲報】残り1羽
と僕自身も大ダメージを受ける自爆テロを起こしたところで、今回の記事を終わりたいと思いますw
スポンサード リンク
スポンサード リンク