さて、大半のアニメの主人公がそうであるように阿良々木暦君も、色々な欠点を抱えながら総合的には良い人だと思われている方はここでお帰り下さい。
という訳で、今回、戦場ヶ原ひたぎが阿良々木君に学校の屋上にある花束を調べさせたせいで大事件になってしまいました。
しかし、ひたぎは簡単に教師から屋上の鍵を借りることができたのに、どうして阿良々木君のために鍵を用意しなかったのでしょう? それは、
ひたぎが手助けしなければ、阿良々木君ならこんな事件を起こすだろうと確信していたからです。つまり、その上で事件のことを
「(今まで通り)忘れましょう」
と阿良々木君に言うためだったのです。
『阿良々木君がこれまでずっとそうやって都合の悪いことを忘れ続けてきた化物だと認識させるために』
ホッチキスで刺した傷が一瞬で治るような阿良々木君がどれほどの化物か、ひたぎなら察して余りあったでしょうし。
●阿良々木君の罪
一方、吸血鬼の化物である阿良々木君にとっても、夜の闇に紛れて屋上に行った方が何かと楽だったはずなのに、人目に付くとわかっていながら、どうして昼間(夕方?)に校舎の壁を登ったりしたのでしょうか? それは勿論、
『阿良々木君がしでかした何かを隠蔽するために、敢えて事件を起こすため』
でした。
大事件になったから、このことは秘密にしようと提案し、阿良々木君の悪行がバレかねない一連のことからひたぎを遠ざけようとしたのです。
だから、忍野メメに道路の献花と屋上の花束について答えを聞いたあと、阿良々木君は敢えて二週間ほどこのことを『忘れて』いました。卑しく薄汚い『怪異』の力で。
まあ、二週間時間を空けることにどんな意味があったのかはよくわかりませんが・・・・。
道路の献花が先月(四月)の事故のもの、ということは、その事故は「傷物語=春休み(四月)」に阿良々木君が起こしたもので、それを隠すためなのかな〜? と思ってみたり。まあ、可能性が広すぎて絞りきれない訳ですけど・・・・。
ただ、ひたぎが阿良々木君に阿良々木君の罪を認識させようとしていること、阿良々木君が何かしらの悪行を隠そうとしていることは明らかなので、そこに阿良々木君の罪が隠されていることだけは確か・・・・だと僕は思っています。
●鬼物語の罪
因みに、どうして傷物語で阿良々木君がニンゲンを巻き込んで殺しているなんて話になるのか? それは、
『鬼物語で阿良々木君(と真宵)が"くらやみ"から逃げる途中、ニンゲンを巻き込んで殺している可能性が非常に高い』
から、です。
八月の終わりの昼間に、あれだけの距離"くらやみ"を連れ回したら、通りがったニンゲンが巻き込まれていないと考える方が不自然です。
(ニンゲンを認識できない阿良々木君達は、単にそれを認識できていないだけです)
まあ、普通は主人公補正のご都合主義が働いたと解釈しますけど、物語シリーズにそんなものは不要です。敢えてそんな不自然なものを入れるより、普通に阿良々木君に罪を重ねさせた方が自然なので。
何より、物語シリーズにニンゲンが登場することは(ほとんど)ありません。"くらやみ"がニンゲンも消し去るなんて設定にする必要がないのです。キスショットの過去話の時も、人が消えるじゃなく、付近を荒らしまわっていた化物達が消えるって噂が立ったことにすればいいだけですし。
だから、阿良々木君が"くらやみ"から逃げる途中、見るだけで呪われる怪異がいるなんて理由を捏造し、真宵に
「八九寺、いいからもう見るな!」
なんて言っていた本当の理由は、真宵に、(いくらニンゲンを認識できなくてもふとした何かで)阿良々木君達が逃げているせいでニンゲンを巻き込み殺していることを認識させないため、としか思えないんですよねぇ・・・・。
(勿論、真宵も内心ではそのことに気付いていたのでしょうけど。だからこそ、どこぞの化物と違って、もうあんなことはしたくない、と自分で責任を取った訳です)
別ルートとはいえ、数十億のニンゲンを殺害(ゾンビ化)させている(検閲済み)が今更一人二人殺したところで、その(検閲済み)さはもうとっくに振り切れてますし。
●優しい、優しすぎる世界
まあ、そんな(検閲済み)のせいで、今回も学校の屋上にフェンスを張り巡らせなければならない、なんて莫大な損失が出た訳ですが、過程を無視すれば、
『阿良々木君の"せい"で学校の安全対策が強化された』
と言えなくもない可能性が微粒子レベルで存在していることを完全には否定しきれないかもしれません。
なにせ、メメに貝木に余弦に伊豆湖、ひたぎを初めとしたヒロイン達が揃って、悉くこんな(検閲済み)を助けようとしている=物語的に肯定しているのだから・・・・それこそが物語シリーズの主題なのだから・・・・。
(非常に言葉足らずですけど、敢えて言葉を濁している訳で、これ以上ここら辺に触れるつもりはありませんw)
といったところで、
暦物語 第3話「」
に続きますw
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