さて、2話感想で書いたように、砂雪達は『青春の荒野』の向こう、荒涼とした(心の)僻地に迷い込んでいます。
表の意味では「勝ち負けのはっきりした厳しい美少女ゲーム業界=荒野」を目指すようで、その裏、本当の意味では
『美少女ゲーム制作の過程で心に潤いを取り戻していく、砂雪達が迷い込んでいる「青春の荒野」を抜け出すまでの話が描かれる』
・・・・はずです、多分w
砂雪は勝てなくて食いものにされた兄の仇討ちのような気持ちに捕われているか、最初はゲームを楽しんでいた兄がそんな風に荒んでしまった悪影響を受けているか、とにかく負のスパイラルに陥ってしまっています。
「苦しい仕事だから、せめて、ゲーム作りならではの醍醐味は奪いたくなかっ・・・・た?・・・・おかしいわね、楽しさなんて二の次だと思っていたのに」
だから、今回の砂雪のこの台詞にあったように、文太郎とのゲーム制作を通じて、砂雪が本当に求めているものは違うのだと気付いていく・・・・のだと思います。
一方、夕夏は、文太郎のことが好きなのにその思いを押し殺しているか、自分の恋心に気付けていません。
だから、楽しそうに話す文太郎と砂雪を見て、物陰に隠れながら
「あれ、何で隠れてんだろ・・・・」
なんて思いを呟きます。
凍てつかせていた心(冷たいジュースの缶)に、多くの水滴がついていた(溶け始めた恋心が溢れ出しそうになっている)ことがそんな夕夏の心の演出になっていました。
心の中に潜る、嵐の海のように荒れる心、穏やかに凪いだ心、などと表現されるように水は心を連想させるものなので。
・・・・ただ、このまま夕夏と砂雪がルートを進めていくと確実に修羅場るので、胃薬の要らない展開を期待したいところです・・・・w
あと、亜登夢も彼女に振られて荒んでいるし、文太郎も将来の夢がない、とそれぞれに『青春の荒野』を彷徨っています。
(結城うぐいすも自分の意見をちゃんと言えない、自分の心を押し殺している、のかな〜? って感じですが、現時点ではまだその詳細がわかりません)
●本当のテルハは?
なので、安東テルハも
『素の自分を隠してしまう、そんな荒野を彷徨っていました』
今回、砂雪と喧嘩別れしたテルハを説得するために、文太郎がテルハのバイト先を訪ねます。
そして、文太郎の『正直な気持ちを明かす=素を見せる』説得に折れ、テルハが「しゃぁねぇか〜」と部に戻るのを承諾するまでの間、テルハは素の口調で文太郎と話していました。
しかし、話がまとまった直後、店の方から呼び出しがあり、
「ルカちゃん、ご主人様からご指名よ」
「はぁ〜い、わかりました〜☆」
テルハはいかにも作ったメイドキャラでこんな答えを返します。"ルカ"という源氏名もですが、
『テルハがオタク関連のバイト先であってもキャラを演じている=素の自分を(文太郎以外には)隠している』
ことが、文太郎との素の会話と並べて描かれることで、対照的に演出されていました。
(2話でも、店に来た文太郎との会話で、テルハがメイドキャラと素を使い分けていることを強調していましたし。1話でもテルハと委員長が揉めて、クラスメイトとも腹を割って話そうとしていないことが描かれていました)
まあ、その後、部に戻り、BL押しで話すテルハがBL好きキャラを演じているのか、素なのかは非常に悩ましい感じなのですが・・・・。
『楽しんで作りたい=部でみんなと楽しく過ごしたい』
ってのがテルハの本当の素であって、砂雪と衝突してしまった本当の原因はこの部分です。
でも、それを正直に言うのは気恥ずかしいので、BLキャラを隠れ蓑に砂雪と衝突する焦点をずらしているんですよね、きっと・・・・。
だから、この先、テルハのルートがより進むことがあれば、BLキャラも脱ぎ捨てて更に素の自分を出すことがあるのかな〜? なんて思ってみたりw
●800万円を集める?
あと、2話感想でもちょっとだけ書きましたが、
「プロモーションでカバー。制作メンバー全員が現役高校生だということは前向きなプロモーションになる。(後略)」
この台詞などより、やはり砂雪は作ったゲームの宣伝(プロモーション)もする気のようです。
何より、同人ではなく、商業の販路で、商用のパッケージの八千本を目標とか、大きなトランクで合宿旅行(温泉旅行?)に来るだけあって、砂雪がマジで本気すぎました。
『仮に1本の原価が1000円としても、800万円もの資金が必要です』
砂雪が大金持ちのお嬢様でもない限り、高校生がどうやってそんな額を捻出するつもりなのか・・・・?
など、女の子達の恋模様と合わせて、これからどうなっていくのかを楽しみに、
少女たちは荒野を目指す 第4話「わがままと引き算のメロディ」
に続きますw
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