さて、これまでクーデリアは、地球のアーブラウ政府との『交渉(話し合い)』を目的としていました。
しかし、世間知らずのお嬢様はノブリスやマクマードに利用され、イサリビに乗ってからは独立運動の今後について考えることさえしていません。
とても『交渉』を成し遂げられる器ではないし、それを成し遂げる気概もありませんでした。
しかし!
『もし、交渉をしないのなら、クーデリアが「革命の乙女=武力による政権転覆の象徴」なら、そんな器は必要ない』
のです。
(勿論、あるに越したことはありませんけどw・・・・あと、次回のサブタイトル「クーデリアの決意」より、気概の方もフミタンが亡くなり、やっと本当の意味で他人の命を背負っているのだと自覚できそうな感じです)
●クーデリアの輝き
つまり、クーデリアを庇って致命傷を負った労働組合の女性に、
「良かった、貴方が無事で。嬉、しい。私、革命の、乙女の、手の中で・・・・まるで、物語、みたい」
と言わせたカリスマ性。
スパイだったフミタンに命を懸けて守りたい、その真っ直ぐさに希望を託したいと思わせ、更にはマクマードに
「金のなる木を無駄に切るのは惜しいだろう。あの娘は小さな火種で終わるタマじゃねぇってことさ」
こう言わせたカリスマ性こそが、クーデリアの「革命の乙女」の資質だったのです。
(なので、もし本当にこの予想が当たっているなら、十六歳で既に大学を卒業している才媛なんて設定はない方がキャラを掴み易かったんじゃないかな〜、と思ってみたりw)
●革命を求める世界
そして、それが『交渉』を目指したナボナが殺されてしまうような世界の状況とも噛み合っていました。
まず第一に、労働者の教育水準が低く、ギャラルホルンと戦おうとするアレなメンバーが多く描かれています。
(気休め程度の武装なんて百害あって一利なしです。デモに参加した非武装の一般市民として殺されたなら、ギャラルホルンの非道を知らしめる礎になれますが、無駄に武器を持ち暴徒、テロリストとしてギャラルホルンに大義を与えるなんて、無駄死にもいいところでしょう。なのに、それがわかっていないのです)
勿論、それを抑え導けるほどの指導力があれば別ですが、ナボナのように中途半端な指導力で『交渉』しようとしても労働者達のアレさと相殺され、今回のような惨状を繰り返すだけでしょう。
ならいっそ、『交渉』ではなく、クーデリアを旗頭に『革命』を狙った方がいい・・・・世界として描かれている、のだと思います。
●敵も味方も・・・・
更に、ギャラルホルンの雑な対応から、
『地球の連中がそもそも火星の者を人間だと思っていない=仮に火星の一般人が虐殺されても問題にしない=火星の者達が大義を貫いたところで意味がない=話し合いの余地がない』
状況であることが窺えます。
本気で国民から支持を得る気も、本気で弾圧する気もない、ノブリスやマクマードのように金を生む火種として利用しているのです・・・・多分。
なので、敵も味方も話し合う気なんかなくて、クーデリアの思惑に関わらず革命不可避な状況・・・・に見えます。
よって、フミタンが『革命』の本の少女にクーデリアを重ね希望を託していること、戦争ものの物語であることからも、
『クーデリアも目的を革命にシフトさせていく』
のかなと、今のところは思っています。
●零れる涙に
ED直前にクーデリアの涙が零れ落ちる時、クーデリアの頬を伝うのではなく、フミタンのネックレスを流れ落ちる演出――クーデリアの涙が(革命の本の少女を見た時の)フミタンの涙になる≒クーデリアがフミタンが涙したような希望、革命の乙女になる演出――になっていますし。
それに、もしクーデリアが『交渉』を続けようとしたとしても、上記のような諸々で『革命』の流れに押し流される・・・・気がします。
だから、クーデリアを暗殺したいギャラルホルンと、クーデリアを利用しようとするノブリス&マクマード、クーデリアを引き込もうとするマクギリス、の三つ巴になっていくのかな〜? なんて思ったところで、
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第17話「クーデリアの決意」
に続きますw
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