さて、今回の話の要は何と言ってもマクギリス(エンターク)の台詞、
「他者の心を掌握しその先の行動を操るのは容易だ。過去を紐解く、ただそれだけで対象者が掴む選択肢の予想は簡単につく。
嫉妬、憎悪、汚辱に恥辱。消えない過去に縛られて、輝かしいはずの未来は全て愚かしい過去の清算のみに消費される」
だったと思います。
●過去に縛られて
18話感想でも書きましたが、クーデリアはやっと火星独立運動に向き合えたようで、実際はフミタンの、『死者の声』に縛られてしまっています。
それは三日月、昭弘、シノも同様で、サブタイトルにある「願いの重力≒死者への思い」に引きずられるように地球の重力に引かれていきました。
もし「シャトル≒身を寄せ合う場所≒家族」がなければクーデリアも昭弘もシノも、その思いに焼き尽くされていたでしょう。
(オルガ、ビスケット、アトラに関しては、どう解釈するべきか現時点ではわかりません)
そして三日月も13話感想で書いたように、自分が殺してしまった者達への罪悪感を感じ始めていました。
だから三日月は地球の重力に囚われると、一度は自分の死をこれまでの報いだと受け入れかけてしまいます。
●三日月の空に
しかし、三日月の周囲を漂っていた「汗≒水≒泉のように湧き出た思い=オルガとの記憶」が、そんな死者への重力を振りほどきました。
自分の罪に生の罪悪を感じて尚、心の原風景には差し出されたオルガの手が、それでも進みたいと願った先があったから。
だから三日月は諦めかけていた心を立て直し、敵MSの残骸を盾にその先に進むことができたのです。
そうしてバルバトスが辿り着いた地球では、暗い夜の海を三日月が静かに照らしていました。水平線から海面に伸びる月影が銀の道を描くかのように・・・・。
●OP考察
そう解釈すると、葬式にさえ否定的だったオルガは、マクギリスの言う過去に縛られておらず、三日月まで未来に導いています。
更に、子供の頃、血塗られたオルガの手と握手を交わした三日月の手が、クーデリアにもその思いを繋げていくことになりそうです。
なので変な仮面の人(笑)でも、マクギリスの見る目は正しかったのかな〜と思ってみたりw
だとすると、OPの冒頭でクーデリアはフミタンの形見のネックレスを握り締め、バルバトスの残骸の側に佇むという、素直に考えればネガティブな演出を受けています。
でも、OPの後半では、クーデリアの立つ青い世界にそういった死者の遺物はなくなり、クーデリアの思いが復讐ではない何かに変わっていくのかな〜? といった感じです。
最後に、中世ファンタジーとかならいちいち書きませんが未来が舞台なので、現代日本じゃないフィクションの世界の話ですよと注釈を入れたところで、
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第20話「相棒」
に続きますw
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