さて、今回はサブタイトルにあるように様々な「相棒」が描かれていました。
●心の荷物
冒頭、鉄華団の面々が沖のシャトルから浜辺に荷物を陸揚げしますが、それが各々の(心の重)荷の演出になっています。
18話感想で書いたように、シノは13話で部下を殺してしまったことを後悔していましたが、MSに乗り最前線に出ることでその思いを忘れようとしています。シノがMSに乗ったまま全く荷物を運ばないのはその演出です。
●ライドの思い
なら、ライドが転んで荷物を落としてしまうのは、自分の思いを抱えきれない演出です。
翌日、ライドが浜辺に寝転びながら、
「ボーナスとか出んのかなぁ」
なんて思いを零すのも、6話で三日月が
「いつか色々な本を読んで、野菜のこととか勉強したいんだ」
と言っていたように、ボーナスが出たらしたい何かがある、もしくは漠然と何かがしたいと思っている表れでした。
しかし、ライドはまだ子供な上に不幸な経験しかしておらず、その思いを抱え上げることができないのです。
●オルガの今後に・・・・
よって、後に雪之丞が「鉄華団がここまでこれたのは〜」みたいな話をしますが、その理由の何割かは、
『鉄華団が、ライドのように本当は自分にもやりたい何かがあることすら自覚できない、不遇な者の集まりだったからです。
だから、オルガみたいに団長の資質に欠ける者がトップにいても不満が出てこないのです。
オルガのデカくなりたいというエゴのために使い捨てにされても、それが不幸だと認識することすらできない、デブリの集まりだから誰かが死んでも残った者達がオルガに反感を覚えることもない、ヒューマン・デブリ達の命を使い捨てにできたからこその成果』
だと思います。
後にオルガはビスケットの兄のことを聞いて心を揺さぶられますが、(いくらビスケットの関係者とはいえ)鉄華団ではない部外者のことより、もっと考えるべきことがあるはずです。
12話で、オルガの命令で死んでいった者達を、部外者(ビスケットの兄)より無碍にしておいて、筋がどうのとお笑いなんですよ。
まあ、今回ようやくビスケットがここら辺の話をしてくれたので、オルガが団長に相応しい器に成長してくれると信じたいところです・・・・。
●心の荷物2
話を戻して、冒頭の砂浜で、クーデリアも自分の思い(荷物)を置いて手ぶらになります。
でも、後のシーンより、おそらくスーツの下にはフミタンのネックレスを着けていて、フミタンの願いを引き継ぐこと以外頭にないことが示されていました。
一方、三日月は箱を二個、アトラも一個持っていて、それぞれに自分の思いを抱えていることが演出されています・・・・まあ、三日月の場合、どんな思いを抱えているのか、ちょっと気になるところですが・・・・。
その後、オルガも持っていた荷物を下ろし手ぶらになります。クーデリアを送り届けるという当面の目標を達成し、
「何かデカいことをする」
なんて思いながら、具体的なビジョンが何もないことが演出されていました。
「みなさんは、みなさんが為すべきことを、自分達の道を進んで下さい」
「・・・・自分達の道、か・・・・」
後にクーデリアにこう言われたオルガが、目を逸らしながらこんなことを呟くのも同様の演出です。
勿論、ビスケットに反対されただけで、その決心が揺らぎまくったのも・・・・。
●相棒その1
OP明けて、ガエリオがアインの心配をして医者(?)に無茶振りをするところが映されます。今回の「相棒」のケースその1です。
●相棒その2
また、その後の観光地のような美しい浜辺で話す「ライド達」や、その次の荷物を運ぶ「昭弘とシノ」、続く「ラフタ、アジー、エーコ」や「三日月と雪之丞」などが、まとめて(仕事仲間の)「相棒」、ケースその2として描かれていました。
●相棒その3
あと、ラフタがシノにペットボトル(?)を投げつけていましたが、昭弘に投げたいのに照れ隠しにシノを巻き込んでいるようにしか見えませんw
なので「相棒(予定)」として「昭弘とラフタ」がケースその3として描かれている・・・・気がしますw
なら、続く、蒔苗 東護ノ介の差し入れのヒラメ(カレイ?)に驚いて、三日月に飛びついてしまった「アトラと三日月」も同じく「相棒(予定)」のケースその3にしか見えなくて・・・・w
あと、蒔苗 東護ノ介の名前がややこしすぎです。モブのジジイの名前なんて覚える気になれませんw EDを中の人から逆引きするのは大変なので「禿鷲 髭太郎」とかに改名してくれないでしょうか・・・・もしくは中の人の名前で書いてもいいことにするとか・・・・w
●相棒その4
一方その頃、マクギリスはガエリオに「アインに阿頼耶識を施すこと」を勧めていました。
ギャラルホルンを一新するための火種にガエリオ達をも利用しようとするマクギリスと、それに気づいてなさそうなガエリオ。決して友好的とはいえない「相棒」のケースその4が描かれていました。
●オルガとクーデリアとメリビット
その後、リゾート地の巨大な別荘といった、禿髭ジジイwの屋敷の前で取り次ぎを待つクーデリア達が映されます。
クーデリアの緊張を察したメリビットが、
「大丈夫よ、ここまで来たんですもの。きっと交渉も上手くいく」
と声をかけ、「クーデリアとメリビット」が「相棒」のケースその2として描かれていました。
(オルガとビスケットも同様です)
しかし、それを聞くと、オルガが張り合うように
「どうかな。(中略)どっちにしても、こっから先はあんた次第だ」
と口を挟みます。
更に、後のジジイとの会談でも、ジジイがメリビットのことを
「お前さん、美形の上に頭も切れる。いやぁ、結構、結構」
と褒めると、オルガが苛立たしそうに、
「けどオセアニア連邦が俺達を匿う理由もないでしょう」
と、すぐ口を挟みました。
どう見ても、オルガが意識しまくりで「オルガとメリビット」も「相棒(予定)」のケースその3にしか見えないんですよねw
あと、オルガがクーデリアに
「どうかな。(中略)どっちにしても、こっから先はあんた次第だ」
と言っていたり、上記したようにクーデリアがオルガ(達)に
「みなさんは、みなさんが為すべきことを、自分達の道を進んで下さい」
と言っていたり、「オルガとクーデリア」も(背伸びしてリーダーになろうとする者同士、互いに認め合う)「相棒」のケースその5、なのかな〜と思ったり、思わなかったり・・・・。
●クーデリアとジジイ
そして、ジジイとの会談シーンになり、クーデリアに
「まだまだ残っておるよ・・・・逆転の目はな」
と凄むジジイの台詞にサブタイキャッチの「相棒」が重なり、Aパートが終わります。
「相棒」の"相"が血文字のようになっていることからも、後にクーデリアがフミタンのネックレスを見詰めながら、
「ここからは前に進む"しかない"」
と言っていたことからも、
『クーデリアとジジイ、が、マクギリスとガエリオのように、互いに異なる思惑で利用し合う「相棒」のケースその4として描かれている』
ことが演出されていました。
なので、構成的にサブタイトル「相棒」を一番受けているのは、このケースその4なのだと思います。
●アトラと三日月
あと、会談の前に、アトラが作った魚料理を食べようとしない三日月とアトラがイチャつくところが映されましたw
また、Bパート冒頭の会議シーンでも、三日月が魚を煮込むアトラと
「アトラ臭いよ」
「うるさい」
こんな会話を交わしていて、「三日月とアトラ」の「相棒(予定)」っぷりが強調されていますw
後のシーンでも、二人でクーデリアに魚の差し入れをしつつイチャついていましたし・・・・w
●魚が示すものは?
ただ、そうすると「(生臭くて男達が食べなかった)魚料理」が何の暗示なのか、非常に気になるところです・・・・。
しかも、それがジジイからの差し入れってところが一段と意味深で・・・・。
上記でクーデリアとオルガが認め合っていると書きましたが、オルガはクーデリアの度胸、捨て身っぷりを買っているだけで、その思想に共感している訳ではないんですよね。
一方、クーデリアは、今はフミタンへの思いに支配されていますが、「虐げられている人々を救いたい」という本当の出発点に戻れれば、その大義のために清濁併せ呑めるようになる暗示・・・・なんて考えると、「筋を通す」とか下らない思いを捨て切れなかった鉄華団の壊滅フラグって気がしなくもないような・・・・?
●二極化?w
あと、ビスケットと喧嘩別れをしたオルガはメリビットにそのことを相談し・・・・もし二人が付き合うことになるなら、オルガが尻に敷かれる未来しか見えませんw
流石はお姉さんキャラというか、ラフタやアトラ(やクーデリア)のせいでメリビットの大人っぷりが際立っていたというか・・・・w
といったところで、
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第21話「還るべき場所へ」
に続きますw
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