さて、今回はいよいよ待望の温泉回! なので、色んな意味で温泉要素の詰まった本編を追っていきたいと思いますw
●温泉水ならぬ、ファントム水w
冒頭、晴彦が
「昔は健康のために温泉に浸かる、温泉療法ってのが当たり前だったんです」
「尚、海外では"飲泉"という治療方法も盛んに行われていて、読んで字の如く、温泉を飲むんです」
なんて薀蓄を話します。
話に夢中になっているのか、ルルが近くの急須のお湯で体を洗っていたことにも気づかないまま・・・・。
だから、晴彦は"飲泉"の実例としてその急須に入れていた温泉水を飲んでしまい、ルルがバツの悪い顔で固まりますw これらが、
『温泉(水)に見せかけた"ファントム(水)"で治療をすることになる本編の暗示になっていました』
●猿のファントムが生まれた理由
どうしてそんな話になるのかというと、4話感想で書いたように
『ファントムの中には、人間の思いを反映して現れるものがいると考えられます』
4話で明るく優しい両親が欲しいと思っていた玲奈の前にそんな理想像を模したファントムが現れたように。
なら、今回の猿のファントムは誰のどんな思いから生まれたのか? それは、
『舞の、自分が晴彦に恋している訳がない』
という思いから・・・・ではないでしょうか。
晴彦のことを考えたら頭がのぼせたようになってしまうけど、晴彦に恋している訳がない、中庭に現れた温泉(ファントム)のせいだ、と思うために。
5話感想で書いたように、舞は頭ではいけないとわかっていながら、直情的にしか動けない難儀な子なのでw
ただ、そうだとすると、舞よりもよりのぼせていた小糸が猿のファントムを生んだのでは、と思われるかもしれませんが・・・・
●猿のファントムが負けた理由
まず、(おそらく)小糸は晴彦への好意を自覚した上で、舞のように無理矢理それを否定しようとしていません。他人にはその思いを隠していても、自分の中でまで否定してはいないはずです。
更に、晴彦がクトゥルーを召還し、猿のファントムから舞を助けた時。舞は自分をお姫様抱っこしながら戦う晴彦を見て、
(凄い・・・・)
と瞳を震わせ、
『晴彦へ好意を抱いていることを認めてしまいました』
だから、舞がもう自分の思いを偽る必要がなくなった=猿のファントムの存在意義がなくなったから、その力が弱まり小糸に捕えられてしまったのだと思います。
●晴彦が怪しい
そんな生い立ちなので、(小糸の例でわかるように)猿のファントムは恋をしている者の恋心を増幅させ、のぼせた状態にする力を持っていると考えられます。
しかし、そうだとすると晴彦は誰にも恋心を抱いていない・・・・抱いていなかったのが、
「あんたは、私があのファントムに襲われてもいいっての?」
と言って拗ねたりした舞の様子から、舞を意識し出した・・・・ように見えます。
クトゥルーが大量の水と共に現れたのも「溢れる思い」などの言葉があるように、心を強く連想させる水の演出ですし、そんな心境の変化、心の成長が、空で魔物を召喚するという新たな力を目覚めさせたと、前後も綺麗に繋がります。
なので、冒頭の「飲泉」の暗示は舞だけでなく晴彦にもかかっていたのかな〜と思ったり、思わなかったり。
ただ、7話感想で書いたように、前回も晴彦は死んだ猫の暗示を受けたり、一人だけ猫耳が生えなかったり、非常に怪しい感じです。
(家庭の不和から)心が死んでいる(いた)、心が凍てついている(いた)、とも解釈できますが、何かよくない裏がありそうな雰囲気がずっと漂っているんですよね・・・・。
●各々の恋模様
まあ、それはさておき・・・・
晴彦だけでなく、二回ともお湯攻撃ではなく素手で投げられた
(まあ、猿のファントムがのぼせさせられるのは舞と同じ女子限定と解釈してあげるのが武士の情けでしょうか・・・・w)
逆に、お湯攻撃でのぼせてしまったビーチエンジェルズは、のぼせてしまうほど恋している誰かがいることになり、片思いか百合説を猛プッシュしたいところですw
また、お湯をかけられてもそれ程のぼせなかった玲奈は、その対象が舞にしろ晴彦にしろ、まだ淡い憧れ程度の恋心しか抱いていないことがわかります。
お湯すらかけられず声で威嚇されただけの久瑠美は言わずもがなでしょう。
といったところで、最後に、今回の話を観て思い出した「草津節」の、
「お医者様でも 草津の湯でも 惚れた病は治りゃせぬ
惚れた病も 治せば治る 好いたお方と 添や治るよ」
より、舞(や小糸)の恋の病を治すために今回のラストでアリスが、
『晴彦と猿(≒舞)を添い遂げさせ、間接的に思いを満たした』
のか
『一瞬でも晴彦を凄いと、自身の恋心を認めてしまった舞の頭を冷やすために晴彦を道化に仕立て上げたw』
のか、悩ましいな〜と思いつつ、
無彩限のファントム・ワールド #09「幕末ファントム異聞」
に続きますw
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