OP明けて、ビスケットの遺体の周りで立ち尽くす鉄華団の面々。
「一緒に帰ろうなビスケット、火星へよ」
と、ビスケットに語りかけるように話すシノに、三日月が
「(もう数えきれない人を殺してきたんだから"火星≒走り出す前≒オルガと出会う前"には)まだ還れない。仕事が終わるまでは還れないよ」
と返し、早速サブタイトルを回収しますw
また、辞書的には「帰る」と「還る」に明確な区別はないっぽいですが、
帰る:物理的
還る:精神的
なイメージがあると思います。
よって、上記のように、シノと三日月ではその意味がかなり異なっていました。
また、三日月は当初、自分が殺してしまった者達への罪悪感を押し殺していました。しかし、13話感想で書いたように、13話からその思いが僅かに動き始めようとしています。
だから、後に三日月が腑抜けていたオルガの襟首を掴んで走り出すように促したのは、
『走っていないと人殺しの罪悪感が目覚め押し潰されそうだったから』
なのだと思います。
●それは三日月の罪
でも、オルガにそそのかされた面があったとしても、人を殺したのは三日月の意思であり、三日月の罪なのです。
オルガが主犯格だからとどんなに責任転嫁したとしても、それで情状酌量されることがあったとしても、罪が消えてなくなることはありません。
もし、三日月が完全に罪を感じなくなったとしたら、それは人間の心を失ったということなのだから。
●オルガは・・・・
一方、部屋に三日月がやってくると、オルガは
「ビスケットがよ、言ったんだ。鉄華団を降りるって。俺は自分から危険な道ばかり進もうとするんだってよ。だとしたら、あいつは俺に殺されたってことだよな」
とこんな思いを(今更、ようやく)吐き出します(ビスケット以前に12話で死んだクルーもお前のせいで死んだんだけどな)。
しかし、上記したように、人殺しの罪悪感に押し潰されそうな三日月はお構いなしに次の指示を出すようオルガに詰め寄ります。
するとオルガは、自分が生き急いだせいでビスケットを死なせてしまったとようやく気づけたのに、三日月に詰め寄られたことで、
「ああわかったよ! 連れてってやるよ! どうせ後戻りはできねぇんだ。連れてきゃいいんだろ!」
と自暴自棄に叫ぶのでした・・・・。
これまでずーーーーーっと、オルガはリーダーの器でないと書き続けてきましたが、本当に未来に期待すらできない、成長し相応の器になることすら望めない雰囲気が急速に立ちこめてきました。
●鉄華団は・・・・
まあ、それはオルガだけの責任って訳でもないですけど。
翌日、ヤケになったオルガが今後はビスケットの弔い合戦だと鉄華団を炊きつけます。すると団員達もそれに賛同し、戦いに突き進む流れが作られていきました。メリビットが反対するのも聞かずに・・・・。
よって、オルガ以外の誰が団長をやったところで大差ない、未来の展望も、本当に仲間のためを思うなら何をすべきかも考えられない、深刻な人材不足が改めて浮き彫りになっていました。
ロクな教育を受けてない孤児の集まりには相応の惨状だと言えばそれまでですが・・・・。
まあ、主人公(側)補正とご都合主義でそれでも事態が好転しハッピーエンドに向かうのかもしれませんけど、
『無学な上に精神も未熟で、自ら成長するチャンスを浪費していくこの惨状では、もうバッドエンドしか見えない』んですよね。
●倫理的に・・・・
鉄華団のような生き方をしてはいけない(戒め)的な結末にならないと、これでハッピーエンドだったら倫理的に色々大問題なので。
普通の戦争ものならそこまで言う気はないですが・・・・なら都合の悪いことを出さなきゃいいんですよね。
例えば、13話でオルガに「(12話で死人が出たのは)俺の責任だからできる限りのことをして送り出そう」とか言わせとけばいいんですよ。
三日月も完全な無表情系ってことで、殺人の罪悪感なんて感じさせなきゃ、わざわざその罪をつついたりしませんし。
好き好んでネガティブなことを書きたい訳がないんだよなぁ(真顔)。
なのに、わざわざそんな要素を入れているんだから、それを素直に受け取ったら、こうとしか書きようがない訳です。
それとも、
といったところで、
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第23話「最後の嘘」
に続きます。
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