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スペシャル・エディシヨン版は、昨年ネット配信されていたものの特別編集版みたいです。よって、この記事はWEB版の感想をまとめ直したものであり、ネタバレ満載です、ご注意下さい。
初視聴での感想の方が宜しければ昨年の感想をご覧下さい。
WEB版1〜3話感想
WEB版4話感想
●メインヒロイン登場!
という訳で、2話ではいよいよニンジャスレイヤーのメインヒロイン、ヤモト・コキ=サンが登場します!
●死んだら助けられない
なのですが・・・・まず、冒頭の人気のない倉庫で、ヤモトとアサリが襲われそうになるシーン。
「殺される・・・・でも、アサリさんを助けないと。(ショーゴーの時みたいに自殺願望に負けて)死んだら助けられない」
(理由は後述しますが)ヤモトの独白はこんな意味だったのだと思います。
なので殺されかけているのにヤモトが他人事のように緊張感を持っていなかったのは、(抵抗しないことによる)自殺の誘惑にまた流されそうになっていたからです。
だから、ここまでヤモトはニンジャにならずにいられたのです。
「(ショーゴーとヤモト)二人して同時にニンジャになった」
と言っていて、少なくともショーゴーと同時に、ヤモトもニンジャソウルに憑依されていました。なのにニンジャにならなかったのは、ヤモトが生きることを心の奥ではずっと諦めていた、ずっと自殺を望んでいたからです。でも、
『ショーゴーを助けるなんて言い訳でショーゴーを利用し自殺しようとした罪悪感が、今度こそアサリを助けたいという思いに繋がり、遂にヤモトは自殺ではなくニンジャとなって(しまったけれど)生きる道を選ぶことができたのです』
・・・・と、ヤモトがニンジャとなってしまったことをポジティブに解釈したいなぁ・・・・w
●アタイと同じ・・・・
では、ヤモト達がバスで登校する時、どうしてヤモトはアサリにショーゴーのことを尋ねたのでしょう?
勿論、ショーゴーの顔に見覚えがあったからです。ヤモトに忘れられるはずがありません。
だから、その後の授業中に、ヤモトはショーゴーが飛び降りて来た日のことを思い返さずにはいられませんでした。
その後、ショーゴーがグラウンドで不良達と戦う時も、ヤモトはずっとショーゴーを気にし続けていました。でも、単にショーゴーからニンジャソウルを感じたからって訳ではありません。
ヤモト視点では、ヤモトが自殺に巻き込んでしまったショーゴーがニンジャになっていたから、気になって仕方なかったのです。
その後、色々あって、ヤモトは自分を呼び出した運動部の不良達を返り討ちにします。
そして教室に戻りながら、
(あいつもアタイと同じように・・・・)
と冒頭で暴漢達を成敗し悦に入るヤモトと、グラウンドで不良達を殺し悦に入るアフロの転校生を思い浮かべ、
(同じように? 同じ・・・・?)
続けて、前の学校で飛び降り事件に関わったヤモトとショーゴーを思い浮かべます。
ヤモトがアフロの転校生と前の学校で飛び降りて来た時のショーゴーを同一人物として認識している証拠です。
では、どうしてヤモトはそんなにショーゴーを気にしているのか?
上記の前の学校でショーゴーが飛び降りて来た時の回想で、ヤモトはショーゴーが遥か上にいる段階から、その姿を捉えていました。つまり、躱そうと思えば躱せたはずなのです。
逆にショーゴーを助けようとしていたなら、受け止めようと手を構えるなどしていたはずです。しかし、ヤモトは棒立ちのまま、ただショーゴーが落ちてくるのを見詰めるだけでした。
ショーゴーと同じ情けない顔の奥に、ショーゴーよりもっと卑怯な心を隠して・・・・。
だから、この回想シーンで、
(同じ・・・・?)
と、ヤモトが繰り返し自問し、それを強調するのは、
『ショーゴーが飛び降りて来た時、ヤモトも避けないことによる自殺に逃げてしまった=二人が同じように自殺しようとしていたことを示している』
・・・・だけではありません。
もしヤモトがこの時点まで自分の自殺願望に気づいていなかったなら、ショーゴーが飛び降りて来た時、自分でもわからないまま呆然としていただけで、ショーゴーの顔なんて覚えていなかったでしょう。冒頭で暴漢に首を絞められていた時のように。
でも、ヤモトが自分の卑怯な心を自覚し、後ろめたさを覚えていたから、回想シーンに1話感想で書いた「緑色=絡まる蔦、過去へのしがらみ、後悔」の演出が入っていたのです。
だからアフロになっても、ヤモトには一目でそれがショーゴーだとわかってしまったのです。
よって、ヤモトが(同じ?)と繰り返し自問したのは、
『ヤモトのせいでショーゴーが「同じ」ニンジャになったかもしれないことに気づいてしまったから』
です。
ヤモトがショーゴーを巻き込まなければ、ショーゴーはニンジャに堕ちることなく人間として死ねていたかもしれないのに・・・・。
ショーゴーからすれば、ショーゴーがヤモトを巻き込んでしまった訳ですが、ヤモトからすれば、ヤモトがショーゴーを巻き込んでいたのです。
●役割が逆
だから、そんなところにアサリがやって来て、ヤモトのことを気遣うと、
(これじゃ役割が逆だ)
とヤモトは自嘲気味に独白します。
勿論、ニンジャとなったヤモトがか弱いアサリを心配する役割なのに、という意味もあります。
でも、わざわざこのタイミングでヤモトにこんなことを言わせているのは、
『本当はヤモトが自分のせいでショーゴーをニンジャにしてしまったと謝るべきなのに、それが逆になることを匂わせるヒント』
なのだと思います。
●紫のカニ
なので、そんなこんなで、ヤモトがアサリ達とカニカラオケ屋に来た時、
「音が鳴らなかったからつい」
と、ボタンを押しまくり、大量の毒々しい紫色のカニを注文するのは、
『本当はショーゴーに謝らないといけないと思っているのに、それができないまま、マッポーのネオサイタマにはびこる退廃的な娯楽に逃げてしまっている暗示』
です。まあ、アニメではカニカラオケの退廃的な説明がカットされていますけどw
あと、紫は情熱の赤とクールな青を混ぜた、相反するものが混ざった色です。だから謝りたいのに謝れない、そのジレンマに欲求不満になっているヤモトを表すのにぴったりの色でした。
●ショーゴー=サンに・・・・
だからその後、ヤモトがトイレと偽り部屋を抜け出しショーゴーと話した時。ショーゴーが
「ちっ、ブッダファック! 時間切れかよ!」
と毒突く時など、ヤモトが面倒な敵を見ているというより、負い目を感じている相手を申し訳なさそうに見ているような表情になっていました。
そしてショーゴーの言葉通り、ブッダシットのソニックブームが二人の前に現れます。ヤモトのことを親殺しとか罵倒するし、ザッケンナコラー! スッゾオラー!
一方、アフロなのにイケメンの横顔で、
「ヤモト=サン。俺はただ謝りたかった。俺のせいで、済まなかった!」
と言い、ブッダファック野郎に戦いを挑むショーゴー=サンがマジでヒーローしてましたw
・・・・ヤモト=サンはまだそれを言い出せなかったちょっとダメな子だったのに・・・・w
●友達との居場所を守るために!
しかし、ショーゴーはソニックブームに倒されてしまいます。
「お前は俺とは違う。友達もいるし。だから駄目だ・・・・(ソウカイニンジャなんて下らねー)」
最後の力でこう言い残し気絶するショーゴー=サン。
その言葉に、ヤモトも遂に戦う決意を固めます。ショーゴー=サンが認めてくれた、友達、アサリ達との居場所を守るために!
そしてアニメ版では唯一ここだけ背後に「爆発=殺気の演出」を背負い、ソニックブームに挨拶をするヤモト。
●最後はやっぱり・・・・
でもクローンヤクザを大量にしかけられ、数とカラテの差はどうしようもなく、ヤモトも倒されてしまいます。
しかし! そんなところにニンジャスレイヤーが現れ、シット野郎を追い詰めていきました。やはり主役、実際強いw
そして最後はヤモトの巨大折り紙でソニックブームを爆発四散させるのですが、せっかくの見せ場がまたフラッシュ演出になっていますw
このシーンも1話感想で書いたように、フラッシュ演出が
『邪悪なニンジャソウルに憑依され、精神的に未熟な戦いをしている演出』
と言える理由の一つです。
だって、もうヤモトはアサリ達のところに帰るのを諦めてしまったから。ショーゴー=サンが認めてくれたのに、守ろうと思ったのに・・・・。
ソニックブームのトドメに全ての力を使った今、目の前にいる無慈悲な殺戮者の手から逃れる術がないことは、ヤモトが一番わかっていました。
それでも逃げることよりソニックブームを倒すことを選んでしまったのです。ヤモトが手を下さずともその死は絶対だったのに・・・・どうして?
しかし、フジキドはナラクに抗い、血の涙を流しながら「行け」と呻くように言ったのです。
ヤモトは無言で小さく一礼しそのまま駆けていきました。それが今のヤモトに果たせるせめてもの義務だったから。
●ヤモトの選択
数日後の夜。あれからずっと考え続けたけれど、ヤモトは答えを見つけられませんでした。
ショーゴー=サンが認めてくれた居場所を守ることができなかった。会いに行けば失望させてしまう。
アサリ達との居場所を守るつもりだったのに、ニンジャスレイヤーがいなければソニックブームに完敗だった。
あまつさえ、逃げること、生き延びることより、無慈悲な殺戮者による死の誘惑にまたもや負けてしまった。
「すぐ会いにこれなくてごめん・・・・。アタイ、一緒にいたら迷惑をかけてしまう。カラオケの時も・・・・。アタイがいけないんだ。一緒にいたら」
だからヤモトは、アサリにこんな懺悔の言葉を伝えるしかありませんでした。
でもせめて逃げ続ける。死を拒み続ける。それがヤモトの義務だと思ったから、なのか別の理由からかはわかりませんが・・・・。
・・・・まあ、ヤモト=サンが自殺願望を持っていたなんて思いたくない方も多いのでしょうけど・・・・。
でも、こう解釈すると次のヤモト=サンのエピソードにあまりにも綺麗に繋がっちゃうんですよね・・・・ヤモト=サンがショーゴー=サンを利用した報い。誰かに自殺したい、殺してくれと言われることがどんなに辛いことなのか、思い知ることになるエピソードに・・・・。
ただ、こんな内容なのに、いや、だからこそ今回のサブタイトルが
「ラスト・ガール・スタンディング=最後まで生き残る少女」
となっていて、ここからあとは上向くのみ!・・・・だと信じてますw
といったところで、
ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン スペシャル・エディシヨン 3話
「レイジ・アゲインスト・トーフ」
「サプライズド・ドージョー」
に続きますw
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