「ベイン・オブ・サーペント/ザゼン・アンド・ニンジャ」
「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」
【アニメ公式サイト様/ニコニコチャンネル様】
スペシャル・エディシヨン版は、昨年ネット配信されていたものの特別編集版です。よって、この記事はWEB版の感想をまとめ直したもので、ネタバレ満載です、ご注意下さい。
初視聴での感想の方が宜しければ、昨年の感想をご覧下さい。
WEB版7話感想
WEB版8話感想
●ナンシー=サン登場!
という訳で、今回いよいよフリージャーナリストのナンシー・リー=サンが登場しました。カワイイヤッター!
冒頭、ナンシーは暗黒メガコーポ・オムラインダストリの暗黒工業地帯に向かっています。植物などの彩りのない、色褪せたコンクリートだけの町。
でも、バイクを走らせるナンシーは、まだ鮮やかな色を宿していました。真っ赤なバイクとヘルメット、艶やかなボディラインを引き締める漆黒のレザースーツ。その胸は豊満であったw
●ホゼ=サンとの会話
ナンシーはバイクを走らせながら、相棒のホゼ=サンと連絡を取ります。ホゼは危険すぎると今回の案件を渋りますが、ナンシーは
「感謝してるのよ、本当に」
とホゼの言葉を流します。ヘルメットのシールド越しの口から、顔の上半分が見切れた、目が隠されたカットで。
半透明でも確かに内外を区切るシールドは、見えない心の壁の演出です。
また、目は口ほどにものを言う、との言葉があるのように、「目≒口≒心」が見切れているのは本心を隠している演出です。人は本能的に相手の姿が見えると安心感や信頼感を覚えるので、その逆、しかも目を隠しているなら尚更です。
ナンシーは今回のように自ら危険な潜入捜査をしていて、自分自身の命すら軽んじています。なので、ホゼの命も比例的に軽んじていて、オムラの陰謀を暴きたいという願望も相まって、ホゼの忠告が耳に入っていない演出になっていました。
「ホゼ=サンは、先ほどソウカイヤが確保した」
後にコッカトリスがこう言っても、ナンシーはホゼのことを全く気にかけませんし。
(更に後のエピソードで、ホゼの亡霊(?)に会っても、ナンシーがそれほど後悔しているようには描かれません)
まあ、ホゼが亡霊(?)としてでもナンシーの危機に現れたのは、口では渋いことを言っていても、ホゼ自身もオムラやソウカイヤの陰謀を暴きたいという思いがあって、それをナンシーに託し死んでいったから、と信じてますが・・・・。
●ワザマエ!
話を戻して、ナンシーは事件の鍵を知る人物・タラギの部屋にやって来ます。しかし、部屋に入ると、タラギの死体をニンジャスレイヤーが覗き込んでいました。ナンシーは慌てて部屋から逃げ出します。
そこをソウカイニンジャ・コッカトリスに襲われ、毒で動けなくなるナンシー。その豊満さを強調するように蛇を絡めるコッカトリス=サンのワザマエに視聴者も感嘆するばかりです、スゴイ!w
●二人の出会い
でも、絶体絶命のピンチに、ニンジャスレイヤーが現れて、コッカトリスはしめやかに爆発四散させられました。
ニンジャスレイヤーはナンシーに解毒用のニンジャ・ピルを飲ませます。そして
「探偵ごっこはお終いにしてキョートにでも亡命せよ。シンジケートを見くびるな」
と言い残し、霞のように消えたのです。
●色褪せてしまった世界で、心を焼くのは
その後、ナンシーはバイクで暗黒工業地帯から出て行きます。この時、(冒頭では鮮やかな色を宿していたのに)ナンシーの体もバイクも、周囲と同じ、色褪せたセピア調になっています。
また、ここでナンシーがタラギのダイイングメッセージを回想する時、その画(え)が緑がかっていて、「緑≒絡まる蔦、しがらみ、後悔」の演出を受けています。
しかし、ナンシーのニューロンに焼き付いたニンジャスレイヤーの姿だけは、色褪せず、鮮やかな色彩を放ち続けていました。ナンシーの心を焼き尽くすほどに。
●蛇の猛毒
・・・・と、こんな解釈になる根拠はまだ他に二つあります。
まず一つ目は、今回のサブタイトル「ベイン・オブ・サーペント=蛇の猛毒」です。
素直に考えるとコッカトリスのことですが、はっき言って雑魚だったコッカトリスには不釣り合いなサブタイです。
なので、サブタイの本当の意味は
『キリスト教の聖書の中で、エヴァを誑(たぶら)かすためにサタンが変身した蛇、その蛇が語った甘言、知恵の実への好奇心を煽った言葉=蛇の猛毒=身を滅ぼすほどの好奇心』
なのだと思います。
だから、冒頭でまだ彩りを宿していた(エデンの楽園で暮らしていた)ナンシーが、ラストではセピア色にくすんでいた(エデンを追放され、ニンジャの蠢く真のマッポーの世界に来てしまった)のです。
『好奇心に負け、ニンジャの存在を知ってしまった(知恵の実を食べてしまった)から・・・・』
●ハイライト
二つ目の根拠は、ナンシーに水色のハイライトが入っていることです。WEB版1〜3話感想で書いたように、ハイライトは
『血に塗れている暗示≒邪悪な思い(ニンジャソウル)に支配されている暗示です』
なので、ニンジャ以外にハイライトが入っているキャラはほとんどいません。
ニンジャスレイヤーの緑色は、妻子を殺された恨み、心に絡みつく蔦(しがらみ)、復讐のために殺戮を重ねている罪悪感の暗示です。
また、ソウカイニンジャのピンク色は欲望と堕落、ラオモトの金色は王(金銭欲、支配欲)の暗示、となっています。
因みに、ヤモト=サンのハイライトはピンクではなく桜色(一度は絶望した世界で、それでも生きていこうと花咲き始めた、春の色)だから!・・・・多分w
そんな訳でナンシーもアレな思いが心に混じっていることは疑いようがありません。ヤモト=サンのように元々持っていたアレな思いと「毒+毒=薬」みたいな反応になっていると信じたいところですが・・・・。
水色は「青+白」であり、青は後述するように探求心、白は純白、公平、公正なので、それらが混じり合った色・・・・とすると、ちょっと良く解釈しすぎな気もしますが、とりあえずそんな感じの色だと思いますw
(アレな成分は青の探求心が強すぎて見境がなくなっている感じでしょうか・・・・)
まあ、ナンシー=サンがコトダマ空間関連でどこまで重要なキャラなのかによって、更に「水色≒海=不変、不朽に存在するもの」とかが入ってきて、超重要キャラだな〜といった感じになる・・・・のかもしれませんがw
最後に、ナラクがナンシーを殺すようフジキドに呼びかけることはないので、ナンシーがニンジャでないのは(ほぼ)間違いないと思います。
●試験放送
そして「ザゼン・アンド・ニンジャ」の冒頭、試験放送のような画面と音が挟まれました。
後半の「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」の冒頭にも砂嵐のようなテレビ画面(からチャンネルを切り替えるところ)が映されます。
試験放送を挟まないといけないくらい、テレビ局や放送形式がガラっと変わる=このエピソードだけ全く別物であることが強調されています。
WEB版の時は砂嵐演出の意味がわからなかったのですが、TV版で2話続けて放映することを見据えての演出だったようですw
●マフラーの意味
試験放送、サブタイキャッチに続き、ビルの屋上で瞑想するフジキドの姿が映されます。そのマフラーが何処までも長く、長く伸びています。これは、
『マフラー=妻子を殺された恨み、復讐のために殺戮を続ける迷い、自己嫌悪=心の疲労』
の暗示です。まあ、その理由は「観てそう感じたから」としか書きようがないのですけど・・・・w
戦いに明け暮れる生活で、フジキドの心は疲弊し切っていました。
(なので、EDの最後に長々とマフラーをうねらせるフジキドの姿に、ちょっと切なくなってしまいます・・・・)
●朝日は・・・・
そんな折、遠くの山から網膜を射抜くような朝日が姿を現します。フジキドの目を眩ませてしまうほどの・・・・。
一年の大半を、重金属酸性雨の厚い雲に覆われたネオサイタマでは、TV版1話(WEB版2話)ラスト以来の希少インシデントでした。
●ドーモ
そこで不意に、フジキドの背後から「どうも」ではなく
「ドーモ」
と声がかけられます。英語版でも「ドーモ」発音なので間違いありませんw
つまり、その声の主、スガワラノ・トミヒデは、フジキドがカラスの口から釣り針を外してやるのを見て、フジキドをニンジャと認識しながら、それでも話しかけてきたのです。
モータル(一般人)でも、伝説上の昔話でニンジャの挨拶くらいは知っているよう、です?
なので、ニンジャスレイヤーは敵ニンジャと勘違いして、大慌てで間合いを取り「ドーモ」と挨拶を返しました。背後に「爆発の演出=殺気」を溢れさせながら。
●後ろ髪を引かれながら
しかし、トミヒデは禅僧めいた老人で、トミヒデとの触れ合いがフジキドの心を癒してくれることになるのです。
「何故貴方はこうも穏やかで、殺気の欠片もないのか・・・・もしや、チャドーを実践しているのでは?」
思わずフジキドがこう尋ねてしまうほどに。
だから、フジキドはニンジャの自分と関わるとトミヒデがどんな災難に巻き込まれるかわからないと思いつつ、つい、話し込んでしまいました。
(冒頭の朝日のように、トミヒデが眩しすぎて、目が眩んでしまったから)
二人が自販機の横で話す時、フジキドのマフラーが垂れるのではなく横に伸び、フジキドのそんな葛藤を演出しています。
「ニンジャスレイヤー=サン、貴方はいつもこの時間に屋上にいるのですか?」
「いいえ。では、オタッシャデー」
だから、フジキドは後ろ髪を引かれながらもこう言って、トミヒデとの会話を終わらせました。
しかし、外ではもう、空を閉ざす黒雲から重金属酸性雨が降り始めていたのです・・・・。
●続きはWEBで!w
まあ、トミヒデをどこまでポジティブに解釈するかも中々悩ましいところなのですが・・・・。
「"薄汚い"哀れなカラスの口から」
「この頃が一番幸せだった」
WEB版の時からこれらの台詞が非常に引っかかりましたし、その後の顛末を考えると、インガオホー、リビングデッド、体が生きていただけ、みたいな。
でも、ヤモト=サンのように「毒+毒=薬」的なあれで、最後はトミヒデの息子に確かに生きていたと認めて貰えた的なサムシング。だから息子は・・・・。
TV版ならおそらく13話でそこら辺が一瞬描かれますが、原作を読まないと「???」なのは間違いないでしょうw
●ハイライトと汚染された土
そんな訳で後半。
まずサブタイトル「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」を直訳すると
「汚染された土の中の黙示録」
といった感じです。
そしてナンシーのエピソードは、上でも書いたように、聖書関連のサブタイがついている・・・・気がしますw
よって、この「土」は「エホバ神が土よりアダム(最初の人間)を創った」のを受けています。
つまり、人が神の如く、クローンヤクザやクローンマッポを培養工場で作り出す冒涜めいた暗示になっているのです。だから人の奴隷になるべく作り出されたクローン達が「汚染された土」に例えられていました。
更に、「汚染された土」は、神の作った「土=人間」が変色(変質)したもの=ニンジャ(≒血塗られた者)というダブルミーニングになっています。
なので、上記ハイライトの演出は、この「汚染された土」の暗示でもありました。
●サヴァイヴァー・ドージョー
あと、そんなハイライトがサヴァイヴァー・ドージョーのニンジャ達にも入っています。
闘牛で赤い布を使うように、赤は生物を本能的に興奮させ、行動を起こさせる、外に向かう色なのです。
一方、青はその逆、内に向かう、クールに自分を見つめる色です。
だから「自己鍛錬≒探求心」と上記のナンシーのハイライトの説明にも繋がります。
なので、そんな風に
『青=自分のことばかり考える色≒外を見ない≒独立心≒自由を求める心』
の暗示で、サヴァイヴァー・ドージョーのニンジャ達を的確に表していましたw
といったところで、
ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン スペシャル・エディシヨン 5話「ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ」
に続きますw
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