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スペシャル・エディシヨン版は、昨年ネット配信されていたものの特別編集版です。よって、この記事はWEB版の感想をまとめ直したもので、ネタバレ満載です、ご注意下さい。
初視聴での感想の方が宜しければ、昨年の感想をご覧下さい。
WEB版9話感想
WEB版10話感想
●二人の思惑
冒頭、ニンジャスレイヤーとナンシーが(電脳空間内の)茶室で話しています。
「断る。お主の言葉に随分と踊らされてしまったようだ」
「それは誤解だわ」
ニンジャスレイヤーの言葉をナンシーは否定しますが、この時顔の上半分が見切れています。目は口ほどにものを言う、との言葉があるように、「目≒口≒心」を隠す、偽っている演出です。
ナンシーがニンジャスレイヤーを利用しようとしていた、まだ信頼関係で結ばれている訳ではないことがわかります。
「お主はジャーナリストとしての好奇心を満たすために、私をいいように使っていたのでは?」
「違うわ、不運が続いたのよ。でも今度こそ間違いない。ヨロシサン第一プラントに秘密が隠されている」
一方、ニンジャスレイヤーがこういう時も、ニンジャスレイヤーではなくナンシーの顔が映されます。ニンジャスレイヤーが本気でナンシーに不信を抱いている訳ではないことが演出されています。
また、ナンシーの顔が全部映されるので、ナンシーが情報を餌にニンジャスレイヤーを利用していたのは確かですが、騙していた訳でもありません。ナンシーも本当にタケウチの解毒剤があると思ってWin-Winの関係を目指していたことが窺えます。
●緑色の雨
「もう手を貸さぬといえば?」
その後、ニンジャスレイヤーがこうタイプする時などに、黒地に緑文字のディスプレイが映されます。
議論が紛糾し、膠着する茶室。
「緑≒植物≒絡まる蔦≒過去のしがらみ、疑念」の演出です。ただ、これは二人だけでなく、電脳空間、コトダマ空間自体がそんな思いの集まった場所である演出です。
だから、そんなところに
●ナンシー=サンのハイライト
電脳空間から戻り、ニンジャスレイヤーとナンシーがヨロシサンのプラントに潜入する時、周囲の風景が映されます。
1話からネオサイタマの、マッポー(末法)の街が映される時は、ピンクと水色のネオンが多く映されてきました。
だから、1話感想で、ソウカイニンジャのピンク色のハイライトは、(マッポーのネオサイタマに満ちるのと同じ)欲望と堕落の暗示だと書きました。
よって、ナンシーの水色も、暗黒メガコーポが利益のためにバイオ技術を追い求めるのと同じ、(穢れた)好奇心、探求心の暗示です。
まあ、ナンシー=サンのは純粋なジャーナリスト魂、正義からくる探求心だから!・・・・と思いたいところですが・・・・。
潜入するために花魁に変装し、見張りのモブに胸などを触られても平然としているナンシー=サン。
(その羨ま・・・・けしからんモブはノトーリアス=サンにケジメされインガオホーしましたがw)
4話でコッカトリス相手に死にかけたのに、ホゼ=サンを巻き込み殺してしまったのに、違法薬物を摂取し、涎を垂らしながらハッキングを続ける姿を見ると、ちょっとそのカルマの高さが・・・・。
●ミノタウロスの迷宮
そして二人はヨロシサンのプラントに潜入します。
因みに、今回の敵ダイダロスは、ギリシャ神話に出てくる有名なミノタウロスの迷宮を作った石工の名です。なので、
『電脳世界に存在する謎の世界・コトダマ空間=ミノタウロスの迷宮』
の暗示になっています。
でも、その迷宮はダイダロスから攻略法を聞き出したアリアドネーが、攻略法をテーセウスに伝えたことで突破されます。
そして、その攻略法が、鞠の糸を入り口に結びつけて迷宮を進み、最深部のミノタウロスを倒したら、糸を辿って戻ってくるというものです。
今回、プラント内でナンシーがハッキングする時、何度も、ナンシーから伸びる長いLANケーブルが強調して描かれました。これは上記の神話をなぞり
『LANケーブル=鞠の糸』
に見立てた演出です。
だから、ダイダロスのように「電脳空間≒コトダマ空間」に入り込みすぎると現実に戻れなくなる、という暗示になっていたのだと思います。
ニンジャスレイヤーが、ナンシーのLANケーブルを何度も壁のコネクタに差し込むのも、入口に鞠の糸を結ぶことを連想させる演出です。なので「ナンシー=テーセウス」、「ニンジャスレイヤー=アリアドネ」で、二人がパートナーになる伏線にもなっていました。
●コトダマ空間とは?
Bパート、ナンシーはコトダマ空間でダイダロスと対峙します。
「コトダマ空間とは、コトダマ・イメージとは何なのか? 誰にプログラムされたのでもない、このような電脳空間を共有し、同じ光景、同じ物理法則を認識することができるのか? 不思議に思ったことはないのですか?」
「カルトに興味はないわ」
そこでナンシーはこう言いますが、原作のナンシーは、
「文字情報からイメージを引き出しているだけよ」
と言っていました。
『(ニンジャスレイヤーという)物語を読んで、読者が同じ世界観を共有する、(ネット上の文字情報から形作られる共通認識が)閲覧者のニューロンに共有された世界≒コトダマ空間』
だとすると、あまりもヒントになりすぎるので変更した・・・・のかな〜? と思ってみたり。
これがメタ解釈だけのものなのか、作品内でもこれに重なるような設定なのか、その詳細はわかりませんが・・・・。
●ホゼ=サン・・・・
その後、ニンジャスレイヤーと共にダイダロスを倒したナンシーは、広大な道場で、最後のパスワード入力を迫られます。
道場には武者鎧が置かれており、開け放たれた襖の先を緑色の雨が閉ざしています。音もなく、死者がもう喋れぬように。
ナンシーはパスワードを入力しようとしますが、どうしても「タヌキ」と入力することができません。
そんな折、ナンシーは武者鎧の中にホゼの気配を感じます。
「ホゼ=サン? 何故貴方がここに・・・・」
一瞬、緑色の豪雨を貫いて、夕日が道場に差し込んだ気がしました。
そのおかげでナンシーは「タヌキ」の意味に気づきます。
正しいパスワードを入力すると同時に、道場も鎧武者も、ホゼ=サンも、緑の文字の欠片となって、天に吸い込まれていきました。緑の雨に、還っていきました。
プラントを脱出し、ナンシーを抱えながらネオサイタマの闇を駆けるフジキド。そこでナンシーがうわ言のように呟いた名前を訊き返します。
「ホゼ=サン?」
「何でもないわ。薬物反応と脳内電気が引き起こした、幻覚に救わレたの」
(信念のためとは言えこうまでするとは。いや、私もそう思われているのだろう。このマッポーの世。復讐だけを追い求めるべきなのか? 今俺は、ナンシー=サンとドラゴン先生を助けたい。ただそれだけだ。Wasshoi!)
掛け声と共にジャンプするフジキドのマフラーが、長く、長く、夜の闇に迷い込んでいきました。
今回の一件で互いを認め合えたから、だからこそ、その思いが絡まって・・・・。
といったところで、そんなマフラーに負けないくらい長いサブタイトルの
ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン スペシャル・エディシヨン 6話「メナス・オブ・ダークニンジャ」「デイ・オブ・ザ・ロブスター/コンスピーラシィ・アポン・ザ・ブロークン・ブレード/デイ・オブ・ザ・ロブスター2」
に続きますw
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