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冒頭、山路が葉子の幼い頃を回想します。葉子の気紛れで、お茶会の用意をすることになった山路はとても嬉しそうです。
子供の気紛れで面倒な雑用をやることになるなんて、本来は好ましくない状況が、当人(山路)にとっては、むしろ生きがいです! になっていたことがわかります。
今回はそんな風に、
『好まざる状況や短所、欠点が、相手によっては掛け替えのないものに変わる』
という、「蓼(たで)食う虫も好き好き」というか、どんな出来事も三者三葉、十人十色だというエピソードが多数描かれていましたw
●葉子の心
話を戻して、回想の中、葉子と山路が歩く西川家の廊下は、照明が点いておらず真っ暗です。なのに、窓からは目が眩むほどの光が射していて、非常にアンバランスな感じです。
おそらくこの時点で葉子の母親は他界していて、西川家の廊下が暗いのは、「邸宅内≒廊下≒葉子の心」が暗く沈んでいる演出です。
だから、葉子には窓の外(母親がいる普通の家庭)が眩しくて仕方ありませんでした。そして、山路や薗部もきっとそのことを察していたから、こんな演出になっているのだと思います。
葉子が友達とのお茶会で"ままごと"をしようと言い、人妻役をすると言ったのも、そんな母親への思いが心の底にあったからです。
でも、葉子にその自覚はなかったのでしょう。お茶会の時、庭の風景が金色にぼやけているのがその演出です。エジプトの王などが身に着けた黄金は、人が本能的に「富や権力≒憧れ」を感じる色です。だから、葉子がそんな憧れの中にいながら、それがはっきりと見えて(認識できて)いないことが演出されていました。
冒頭、暗い森の中からハトが飛び立ち、西川家の窓辺にとまるのも、そんな葉子の思いを浮かび上がらせる演出です。
「暗い森=暗い西川家の廊下」で、ハトは自力でそこを飛び立ちます。そして「透明でも確かに内外を区切る窓=心の壁の暗示」の外に降り立ちました。更にハトはそんな心の壁に映る自分の姿を見て、自分を客観的に見詰めています。
でも、そんなハトの側で、葉子は自分の思いに気づかないまま、山路を我儘に付き合わせていました・・・・。
まあ、山路にとってはそれが何よりのご褒美だった訳ですがw
ただ、後述するように、今回のラストでこのハトがまた飛び立つので、葉子が一人暮らしをするようになって、自分の心の壁を客観的に見詰めることになる暗示にもなっていました。
そして、色々(自分の気持ちにすら)鈍いお嬢様だからこそ、葉子は素直で裏表がありません。だから山路や薗部が葉子をずっと気にかけて、双葉や照とも友達になれたのです。そして、それがサブタイにも繋がって・・・・。
●みんなの短所?
そんな葉子の思い出話が終わると、今度は双葉の小さい頃が語られます。予想通り、子供の頃から大食いだった双葉。
更に、照の小さい頃の話になり、動物が大好きすぎて、腹黒キャラになってしまったことが語られますw
なので、1話感想でも書きましたが、照は動物大好きキャラであり、腹黒キャラはおまけです・・・・本当にw
1話で葉子達三人が出会った時、葉子はお嬢様キャラのせいで、双葉は大食いキャラのせいで、照は動物大好きキャラのせいで、中庭の茂みに入って行きました。だから、
『最初から照は動物大好きキャラであり、(物語の意味合い的には)腹黒キャラはおまけですw』
また、そんなところに照の姉・光もやって来て、不味い手作りお弁当(?)に葉子達が引いてしまいますw
(でもそれは照を思うが故の姉心で・・・・)
一見好ましくない部分でも、相手によってはむしろ・・・・という双葉達の性格が繰り返し描かれていましたw
●むしろ・・・・長所?w
翌日、照はまた西山 芹奈と喧嘩になってしまいます。
でも、二人が互いに動物好きだったおかげで、エアペットを愛で合うという上級プレイを通じ、和解することができましたw
また、その日の昼休み、山路のストーカーも「忠犬放し飼い」と考えれば・・・・結局気持ち悪いということで落ち着きますw
更に、動物大好き照と芹奈が、ペットの写真を上手く撮りたいという共通の話題で、また心の距離を縮めたりw
その後、双葉の趣味の話になると、双葉は「料理(を作るの)が趣味」と供述しますが、照や葉子は信じませんw
「本当に料理するんだって。色々外で食べて、それを活かしたりもして。まあ、外食も趣味ってことになるのかもだけど」
双葉はこう食い下がりますが、それを聞いた葉子は、なら一緒にファーストフードに行きたいと切り出します。
学校からの帰り道、ハンバーガーショップの前で、
「以前から食べてみたいと思っていたんです。(中略)双葉さんが外食も趣味と仰っていたので、宜しければと」
「むしろ生きがいです!」
葉子と双葉がこんな会話を交わし、サブタイトルが回収されますw
だからこれも、双葉の大食いのおかげで葉子の以前からの夢が叶うという、サブタイを受けたエピソードになっていました。
●葉子と父
三人は店内でセットを食べながらキャッキャウフフするのですが・・・・頃合いを見計らって、双葉が珍しく真面目に、葉子の両親が今何をしているのか尋ねます。
すると、葉子は「わかりませんわ」と軽い感じで答えます。
「父は全てをなくしてまた一から始めることになった時、こう仰いました」
でも、葉子がこう続ける時、(おそらく)真っ暗な西川家の廊下で話す葉子と父が映され、絶望に沈む葉子の心が演出されます。更に、窓の外は眩しすぎて真っ白で、葉子の心が暗くなりすぎて外の世界への希望などが見えなくなっていたことが窺えます。
「よーし、パパ、これからデカいことやってやる」
しかし、その父の台詞は、現在、店内で普通に座っている葉子が代弁します。だから、今の葉子が、双葉達にならこれを軽く話すことができるのは確かです。
ただ、父がこう言った当時はどうだったのか、父は本当にこう言ったのか、などの詳細はわかりません。
「それからお金は定期的に送られてきますが、何処で何をしているのやら」
更に、葉子がこう続けるところが、窓の外の大きなの木の上から、豊かな緑の葉っぱ越しに葉子を見下ろす視点で映されました。
見下ろす視点は、見下ろされる対象が視聴者より下になり、対象の境遇が悪いと視聴者に感じさせる≒対象がネガティブな思いを抱えている演出です。
でも、「葉子は窓の外の大木≒父のデカイい夢」を見上げつつ、弱々しくても笑えるようになっていました。窓の外が眩しすぎて何も見えてなかった葉子が、外の風景を見られるようになったのは間違いありません。
それはきっと、双葉や照や薗部(ついでに山路w)が側にいてくれるから・・・・。
「それで一人暮らしなんだ」
「ええ」
一方、続くこの部分が葉子を見下ろす視点になっているのも、上記と同様の演出です。
でも、そんな葉子の手に、照と双葉が自分の手を重ねてくれました。
「何か困ったらいつでも言ってね」
「私達が力になるから」
だから葉子も、二人に笑顔を返すことができたのです。
●ストーカー数珠繋ぎw
その後、第二のストーカー・竹園 優が登場し、元祖ストーカーの山路と無益な争いを繰り返しますw
(優のストーカーも一応、不本意ながら葉子のためになることもあると解釈しておきますが・・・・)
更に、そんなストーカーの優を狙う双葉の従姉妹・臼田 桜が登場したりw
●茜の空に飛び立って・・・・
そんなこんなで、葉子は優に貰った和牛を丸焦げにしてしまい、すっかりヘコんでしまいます。そこで、自称(笑)料理が趣味の双葉が、葉子の部屋で和牛を料理することになりましたw
ところが双葉は本当に料理が上手くて、自称でないことを本当に証明してしまいますw
そして、三人で美味しく和牛を食べ、幸せな時間がすぎていきます。開いた窓から、葉子の部屋に優しい風が吹き込みました。
双葉達のおかげで「葉子の部屋の窓=葉子の心の壁」が開き、心に新しい思いが吹き込んだ、淀んでいた思いが流れ始めた演出です。
更に、窓辺からは(冒頭で西川家の窓辺にいた)ハトが茜の空に飛び立ます。三人が、三者三葉、互いに欠点を長所に見てくれる大切な友達に出会えたから・・・・。
といったところで、
三者三葉 第5話「もうこはんはもうないんですね」
に続きますw
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