【アニメ公式サイト様】
さて、前回はフレイアの歌が響く真っ青な空で、ハヤテとフレイアの思いが共鳴したアゲアゲの回でしたw
なのでその反動、って訳でもないのでしょうけど、今回は逆に夕方〜夜の沈んだ雰囲気が強調される回になっています。
それはメッサーに自分を重ねヴァール化に怯えるミラージュの心などの演出なのですが、メッサー、カナメ、ハヤテ辺りはどう解釈したものか中々悩ましい感じです・・・・。
●ブレスレットの傍らで
そんな訳で、冒頭、メッサーが悪夢から弾き出されるように、薄暗いベッドで跳ね起きます。しかし、その傍らでは、朝日に輝くブレスレットが静かにメッサーを見守っていました。カナメの歌だけが入っているブレスレットが・・・・。
●海の架け橋
OP明けて、海に張り出した桟橋や、海に架かる橋が映されます。橋はその両端を繋ぐもの、心の架け橋の暗示です。
OP明けの一番目立つところに据えられていることから、様々な思いが錯綜する今回の内容を端的に暗示しているのだと思います。
上記の夕方〜夜の演出と混ざって「心の架け橋が架かる」まではいかなくて、夜の橋を自分でも認識していなかったり、故意に抑え込んでいる、暗くてよく見えない思いが錯綜するって感じですが・・・・一番目立つシーンに朝の橋が選ばれているので、総合的にはプラスの方が勝っていると信じたいところです。
●奥手な二人?
その頃、メッサーは部屋でカナメの電話を受けていました。机の方に行けば朝の光が射し込んでいるのに、メッサーは敢えて薄暗いベッドの上に座っています。メッサーがカナメへの思いを押し込めている演出・・・・に見えてしまいます。
それは「SOUND ONLY」でかけてきたカナメも同様で、やっぱり二人は相思相愛なのにそれを押し隠している・・・・気がしてなりませんw
6話感想でも書きましたが、OPのアラド&カナメ押しとか、もうミスリードにしか見えないですしw
●フレイアがハヤテに惹かれた理由
その後、全体ミーティングで、ワルキューレのメンバーがヴァール耐性のある「フォールド・レセプター」保有者から選ばれていることが明かされます。そしてハヤテもレセプターの保有者だと。
4話感想で、フレイアが出会ったばかりのハヤテに惹かれたのは同じウィンダミア関係者だから、と書いていました。
まあ、正確には、ウィンダミア人が「風」として感じる「フォールド・レセプター」に関係する者同士、っぽいですが、ほぼほぼ当たってたかな〜、みたいなw
(おそらく父の形見であろうハヤテのペンダントが、ハヤテとフレイアのレセプターの共鳴に反応してましたし)
「私が、ハヤテと・・・・」
「・・・・共鳴」
カナメの説明を聞き、フレイアとハヤテは顔を見合わせます。でも、フレイアは頬を染めすぐ目を逸らしてしまいます。
だから、フレイアの思いがここまで育ったのは、お互いを知っていった結果だとしても、その入り口として単なる初対面の他人ではない、強く感じる何かがあったのは確かでしょう。
●美雲の本心は・・・・
「えーっと、レセプターを持ってる人間は、ヴァールになり難いんだったら、持ってない俺たちは・・・・」
「歌がある・・・・私の歌を間近で聞いている限り問題ない」
レセプターの説明を聞き不安がるチャックに、美雲がこう言いますが・・・・みんながちゃんと立って話す中、美雲だけが机に寄りかかり、一人だけみんなと違う方を向いて話しています。
(精神的に)机に寄りかからないと一人で立てないから、チャックの問いにも真正面から答えられない演出、に見えてしまいます。
(実際、今回メッサーのヴァール化を治したのはカナメで、美雲ではそれができませんでしたし・・・・)
「では、一度ヴァールになってしまった人たちは、どうなるのですか?」
だから、(メッサーの姿にヴァール化してしまうかもしれない自分の未来を重ね不安になっている)ミラージュがこんな質問を続け、美雲の言葉が不安を取り除けていないことが演出されていました。
●暮れゆく世界で
その日の夕方、ハヤテとミラージュがメッサーの部屋を訪ねます。そしてアラドにヴァール化が進んでいることを話すべきだと進言しますが、メッサーはそれを拒みます。
夕暮れの暗い部屋は、ヴァール化しつつあるメッサーや、それを心配するハヤテたちの心の演出です。
●橋がない
あと、その帰り際にハヤテがメッサーのブレスレットを勝手に触り、メッサーが
メッサーの説得に失敗し、黄昏の海を眺めるハヤテとミラージュを、ベスとニナ(オペレーターの二人)がデート中だと勘違いしてみたりw
ハヤテたちは暮れる空のように途方に暮れ、ベスたちはそれをデートと勘違いし、心の架け橋の要素が全くありません。ここで背景の海に橋が描かれていないのはそのためです。
●カナメの本心は・・・・
その夜、ミラージュはカナメに、メッサーのブレスレットに入っていた「AXIA」という歌について尋ねます。
(「AXIA」とはギリシア語で「価値のあるもの」という意味のようです)
するとカナメは、夜の暗いテラスで手摺りに寄りかかりながら、
「私ね、実はワルキューレに入る前に、アイドルとしてデビューしてるの。ソロでね。でも鳴かず飛ばずで、一旦引退して、それでも夢を諦められずにグダグダしてたら、フォールド・レセプターのおかげでワルキューレに入れた。この曲(AXIA)は、私がワルキューレのエースとして歌った最後の曲」
「最後の?」
「ええ、ワルキューレのエースは美雲。今はフレイアもいるし、私にエースの才能はない。でもね、自分で言うのもなんだけど、リーダーとしてみんなを引っ張るのは向いてるみたい」
こんなことを話します。ミラージュの方を一度として見ることなく、ずっと暗い海を見つめたまま。
本当はフォールド・レセプターなんかではなく、アイドルの資質を認められてアイドルになりたかった。できるなら、リーダーではなく、エースとしてずっと歌っていたかった、そんなカナメの心が演出されている・・・・ように見えます。
●ワルキューレのエースは・・・・
だとすると! 世間的にはそうじゃないけれど、メッサーにとってはカナメがずっとワルキューレのエースで、二人が勇気を持って踏み出せば、互いに特別な一人になれる!・・・・なんて未来があるんじゃないかな〜、みたいなw
(カナメにとっても、自分をエースだと言ってくれるメッサーが、かけ替えのない存在になる・・・・はず)
それがきっと次回のサブタイ「閃光のAXIA」にも繋がって・・・・。
恋人になると同時にカナメが失恋(=メッサーが死亡)するフラグではなく、「閃光の(ように輝き始めた)AXIA」みたいな意味だと信じたい、ところですけど・・・・。
●海底で歌う意味
その後、海底遺跡の前で歌う、ちょっとシュールなワルキューレの画(え)が映されますw
でも、自分の心に潜る、なんて言い回しがあるように、「海≒水」は心を強く連想させます。だから、これはワルキューレのメンバーが自分の心を深く探っている(でも答えを見つけられない)演出です。
また、5人が一緒に映される時、手前から、カナメ、フレイア、美雲、レイナ、マキナの順になっています。そこから美雲のアップに繋がるので、この演出がかかっている順番は
美雲>カナメ>フレイア>レイナ、マキナ
です。
更に、曲が「GIRAFFE BLUES(歌詞的に恋の歌)」であることからも、カナメはメッサーのことを、フレイアはハヤテのことを(どう思っているのか)考えながら、でも答えが出せないでいる演出・・・・に見えてしまいます。
まあ、今のところ美雲は恋愛絡みじゃない感じですが・・・・意外と??
●メッサーの本心は・・・・
その後、メッサーとハヤテたちの模擬戦が映されます。
ハヤテの台詞、
「メッサーの奴、俺たちを白騎士に見立ててやがる」
より、このシーンのハヤテたちは白騎士の暗示(=模擬戦はウィンダミアとの戦いの暗示)です。
そしてメッサーは太陽(希望、願いなどの暗示)に向かって上昇しますが、そこから反転しハヤテたちを撃墜(ペイント弾)しました。
「太陽=カナメへの思い」に敢えて背を向け、戦いでそれを誤魔化そうとしているメッサーの心が暗示されている・・・・ように見えます。
●夕暮れの浜辺で
その日の夕方、フレイアが海辺の道を歩いていると、「橋の見える」浜辺にハヤテとミラージュが座り込んでいました。
ベスやニナの言葉を思い出し、二人の関係を勘違いするフレイア。ただ、ベスたちと違い、フレイアは本気でハヤテに恋をしてい(ることに気づき始めてい)て、ある意味いい刺激になったのでしょう、橋の演出的にw
「ごめんなさい、情けない。中尉のこともそうだけど、自分のことが気になって。私はレセプターを持っていない。いつかは、もしかしたら」
また、そこでミラージュがハヤテにこんな胸の内を明かすので、ミラージュも問題なく橋の演出を受けています。
「フレイアがいる。あいつの歌がありゃ大丈夫だ」
でも、ハヤテはこう言って立ち上がると、ミラージュを見ることなくずっと海を見続けます。だからミラージュは、逆光の影に沈むハヤテの背中を見上げ、
「そうよね、フレイアさんの、ワルキューレの歌があれば・・・・」
と、自分に言い聞かせるように呟くのでした。
よって、レセプター持ちのハヤテが、ミラージュの不安を理解できていない、思い遣れていない演出・・・・ならいいのですが・・・・。
8話感想で書いたように、ハヤテのペンダントはおそらく父の形見であり、ハヤテと父の関係には何か影が差している雰囲気があります。
よって、レセプターの力はどうしても父のことを連想させ、ハヤテはそれを快く思っていないから、
「フレイアがいる。あいつの歌がありゃ大丈夫だ」
と父のことをフレイアで包んで誤魔化そうとしている・・・・みたいな?
だとしたら、いずれハヤテの父のことが明かされた時、ミラージュにもどうしてハヤテがこんな風に話を濁したのかわかることになる=(かなり完成が先になりそうな)心の橋がちゃんと架かっていた演出、なのかなと思ってみたりw
●メッサーの心の橋
その後、
寮を抜け出したミラージュは、ハヤテともう一度メッサーを説得しますが、メッサーの答えは変わりません。
「カナメさんと何か関係があるんですか? あのブレスレットにはカナメさんの歌一曲しか入っていませんでした」
「あの歌が、あの歌声が俺を救ってくれた。暴走した俺を正気に戻してくれたんだ」
しかし、海に張り出した桟橋の上で、ミラージュの問いにメッサーはこう答えました。
側の闇に沈む橋の上で、夜間灯が弱々しい明滅を繰り返します。メッサーの本心に続く(心の)橋が、ハヤテたちに見えかけている演出です。
「じゃあ・・・・」
「命の恩人を守るために・・・・」
ただ、ミラージュとハヤテはこう解釈しましたが、恋愛要素も入ってるんじゃないかな〜、みたいなw
●もしも・・・・
しかし、そんなところに空襲警報が鳴り響き、空中騎士団が現れます。味方の防衛線が機能しないのはお約束ですねw
そして、白騎士との戦いでメッサーがヴァール化しそうになるのも、カナメの歌がそれを食い止めるのもお約束ですが、王道展開はやはり盛り上がりますw
歌のサビの部分を聴くと・・・・
もしも惑星アルブヘイムの戦いにカナメが来てくれなかったら、あのまま死んでいたかもしれない。もしも、メッサーが「あの時からずっとワルキューレのエースはカナメさんだ」と言ってくれなかったら、こんな気持ちさえ知らないまま、ずっとリーダーの方が向いているなんて言い訳に逃げ続けていたかもしれない・・・・みたいな展開が来るんじゃないかって妄想が捗りますw
●サブタイトルの意味
ただ、7話感想で書いたように、マクロスΔのサブタイトルはウィンダミア視点も重なったダブルミーニングになっています。
なのでウィンダミア側で「限界 アンコントロール」を受けるのが誰か、非常に悩ましい感じです。
素直に考えると、キースがクーデター(ロイド排斥?)を起こす兆し、だったことが後々わかるのかな〜? といった感じなのですが・・・・。
今回のラスト、ハヤテとミラージュは二人でメッサーのことを心配していたのに、それをイチャついていると誤解していたフレイアは、「橋の懸かった」海に
「ごりごりーー!」
と、大声で叫ばずにはいられませんでした。
すると、すぐ側の岩陰に座っていたメッサーが「騒がしいな」と声をかけてきます。
「ウィンダミア人は三十年ほどしか生きられないそうだな。不安にならないのか? 自分の未来が」
「考えたこともない。今が一杯一杯で、先のことなんかよう考えれんよ」
「・・・・今が一杯一杯か。それでいいのかもしれないな」
そしてこんな会話を交わす二人。
だから今回のサブタイは、次回、カナメへの思いが限界に達しアンコントロールになったメッサーが告白する暗示、って可能性もワンチャンあるかな〜?・・・・みないなw
すると、それを受けたウィンダミア側はフレイアで、ハヤテへの思いがこれまたアンコントロールになっていく・・・・のかなと思ってみたりw
といったところで、
マクロスΔ(デルタ) 10話「閃光のAXIA」
に続きますw
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