『ポジティブな人(自分が幸せだと思っている人)は、そうでない人に比べて、病気が少なく、寿命が長く、収入が多い。だから、ポジティブになれる方法を考えよう』
といった感じの学問です。
そこで考え出された方法が、
・自分と他人を比較しない
・他の人に親切にする
・他の人と一緒にいる
・毎日、良かったことを三つ書き出す
・自分の強みを知り、それを活かす
・人生の目標を定め追求する
などで、その効果は多くの研究により実証されています。
そして、驚くべきことに、日常系アニメの登場人物たちはこれらをかなりの割合で実践しています。
だから、それを見た視聴者は間接的にこれらの行動を追体験することになり、見るだけでポジティブ(=幸せな気分)になれるのです。
僕は、これが日常系アニメの人気の根幹だと思います。
(更に、それを切っ掛けにリアルでもポジティブ心理学を実践できたなら、より幸福感が得られるでしょう)
ただ、抽象的な話ばかりではわかり難いと思うので、以降は今期の日常枠である「ステラのまほう」に当てはめて、具体的な説明をしていきたいと思います。
●他の人に親切にする
まずは「ステラのまほう」1話の冒頭。主人公・本田 珠輝の寝癖髪を、幼馴染の布田 裕美音が直してくれます。
・他の人に親切にする
を実践していて、親切なことをすると(そんな人たちを見るだけでも)幸せな気分になれる、なんて説明するまでもないでしょう。
●自分の強みを知り、活かす
次にAパートの後半。珠輝は小さい頃のことを思い出します。自作の双六を祖母に褒められたこと、自作ゲームが切っ掛けで裕美音と仲良しになったこと。
そして珠輝はSNS部(同人ゲーム制作部)のテントに戻ります。
・自分の強みを知り、それを活かす
の実践です。
自分の長所がわかると嬉しいし、実際にそれを活かすことができればより嬉しいのは当然でしょう。
視聴者も感情移入しているキャラを通して、間接的にそれを追体験してるのです。
因みに、もしリアルで実践する場合は、本当にゲーム作りの適性があるのか、などあまり気にしない方がいいでしょう。
(就職など重大な決断の時は、ひとまずポジティブ心理学のことを忘れて、自分の適性を熟慮した方がいいと思いますけど)
「自分の強み」が一つとは限りませんし、その度合いも十人並み、百人並み、・・・・、世界一とピンキリです。
珠輝の場合なら、もしゲーム作り(絵)の適性がなかったとしても、自分の適性は他にあると、真の適性に一歩近づけたと考えればいいのです。
失敗したら死ぬ、なんて生死をかけた最後の選択ではありません。ポジティブな考え方を養うために、自分から一歩踏み出してみる、それが何より大切なことだから。
●人生の目標を定め追求する
次にBパートの頭。珠輝はSNS部の部長・村上 椎奈にゲームを作るのは大変だとプレッシャーをかけられます。しかし珠輝は、
「(もう目的なく時間を失いたくない。私だけのゲームを作りたい・・・・!)私・・・・やり遂げて見せます!」
と、自分の決意を伝えることができました。
・人生の目標を定め追求する
の実践です。
(これもリアルで実践するなら、より良い目標が見つかれば変えてもいい、自分が前に進むためのギミックであることは忘れない方がいいと思います)
●他の人と一緒に
そして、上記のような行動をしたおかげで、珠輝はSNS部の先輩三人と一緒にいられる場を得ることができました。
・他の人と一緒にいる
の実践です。
日常系の世界がよく「優しい世界」と言われますが、良好な関係を持つ人たちと一緒にいるから「優しい世界」になるのです。優しくできる相手がいなければ、優しくしてくれる相手がいなければ、そんな世界を築きようがありません。
なので、「ステラのまほう」のことを話し、ヲタ友と話ができる場を維持していくことも、立派にこの実践だと思いますw
●まとめ
こんな風に、何気ない日常に隠れた幸せを再発見するのが日常系アニメであり、それはまさにポジティブ心理学の目指すところです。
僕は良かった探しが苦手なので、日常系アニメ内の良かった探しの多彩さに、ただ脱帽するばかりです。
上記した「ステラのまほう」1話の例は説明のし易さを基準に選んでますが・・・・
例えば、Aパートのテント。椎奈は(自身の認識では)関あやめに振り回され、睡眠不足から「険しい目」をしていました。でもBパートで、珠輝はそれを「真剣な目」だと言っています。自分が失敗したと思っていても相手はそう思ってないかもしれない、そんなヒントが示されていました。
なので、良かった探しが上手くいかないという方は、日常系アニメをご覧になられてみては如何でしょうか。きっとそこには新しい扉がある・・・・はずです、ポジティブ心理学的にw
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